佐世保市議会 > 2019-03-05 >
03月05日-04号

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  1. 佐世保市議会 2019-03-05
    03月05日-04号


    取得元: 佐世保市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-11
    平成31年  3月 定例会           3月定例会議事日程            第4号                 平成31年3月5日(火曜)午前10時開議第1 一般質問-----------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程に同じ-----------------------------------出席議員(29名) 1番 橋之口裕太君   2番 久保葉人君 3番 久野秀敏君    4番 永田秀人君 5番 湊 浩二郎君   6番 萩原 活君 7番 朝長満洋君    8番 北野正徳君 9番 永安健次君    10番 森田 浩君 11番 柴山賢一君    12番 古家 勉君 13番 眞木朝夫君    14番 崎山信幸君 15番 草津俊比古君   16番 山口裕二君 17番 林 健二君    18番 田中 稔君 19番 川内敏明君    20番 大塚克史君 21番 小野原 茂君 23番 久池井一孝君   24番 宮城憲彰君             26番 松尾裕幸君 27番 市岡博道君    28番 浦 日出男君 29番 長野孝道君    30番 明石 功君 31番 山下隆良君    32番欠席議員(2名) 22番 早稲田矩子君   25番 永山正幸君-----------------------------------説明のため出席した者 市長        朝長則男君   副市長       川田 洋君 副市長       山口智久君   基地政策局長    東 隆一郎君 行財政改革推進局長 田所和行君   企業立地推進局長  豊原 稔君 防災危機管理局長  佐々木謙一君  契約監理室長    小寺紀彰君 企画部長      中島勝利君   総務部長      松尾幸弘君 財務部長      橋口昌浩君   観光商工部長    森永博昭君 農林水産部長    浜田祝高君   都市整備部長    池田正樹君 土木部長      杉本和孝君   港湾部長      神崎良平君 市民生活部長    蓮田 尚君   保健福祉部長    塚元 勝君 子ども未来部長   渡辺恵美君   環境部長      井元保雅君 水道局長      谷本薫治君   交通局長      田崎 勉君 消防局長      上野克己君   教育委員会教育長  西本眞也君 農業委員会副会長  松永信義君   代表監査委員    相良克巳君 選挙管理委員会委員 和田 隆君   選挙管理委員会事務局長                             吉永洋明君-----------------------------------事務局職員出席者 事務局長      久家節男君   事務局次長議会運営課長                             宮崎謙一郎君 課長補佐兼議事調査係長           細井章子君     午前10時00分 開議 ○議長(市岡博道君)  出席議員は定足数に達しております。 これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △事務報告 ○議長(市岡博道君)  諸般の報告は、お手元に配付いたしておりますので、朗読を省略いたします。----------------------------------- 事務報告                           第3号                           平成31年3月5日1.次の議員から欠席届が提出された。  永山正幸議員----------------------------------- △日程第1 一般質問 ○議長(市岡博道君)  日程第1一般質問を行います。 順次質問を許します。24番宮城憲彰議員。 ◆24番(宮城憲彰君) (登壇) おはようございます。 通告に従いまして、順次質問をいたします。 1項目め、地域経済の活性化についてであります。 趣旨については通告に書いておりますので、御理解をいただきたいと思いますが、まず、地元の中小企業の育成についてであります。 本市には、ずっと以前から佐世保市企業支援ガイドブックという中小企業向けの非常にすばらしい内容のガイドブックもあります。今回は、1点に絞って、前回の質問後の経過も含めてお尋ねをいたします。 来年、株式会社親和銀行と株式会社十八銀行との合併が正式に決定をいたしました。私は、このことは一定の評価をいたしますけれども、この前も言いましたように、県内でも一、二の大きな銀行が合併をすることによって、本市において、中小企業の融資の面で何か障害が出てきはしないのかと若干心配しております。中小企業にとっては、金融政策というのは最大の課題であります。そういう面において、貸し渋りや、あるいはいろいろな障害が出てきて、本市経済にも影響が出てくることを懸念いたしておりますが、その心配は要らないのでしょうか。 次に、企業誘致の一層の推進についてであります。 企業誘致については、私は非常に高く評価をいたしておりまして、平成18年度から平成30年度までの誘致実績として、3,051名という雇用が生まれております。 このことは、本市にとって大変大きな出来事といいましょうか、企業誘致が本市経済に大変大きく寄与していると高く評価をいたしておりますが、この件についてお尋ねをいたします。 まさに今申し上げましたように、本市は、人口減少あるいは若者の流出という大変な時代を迎えようとしておりますが、企業誘致につきましては、重要な政策の一つであろうと思っております。 特にウエストテクノ佐世保の分譲が開始されて、間を置かずして、相浦地区に工業団地が整備をされたということについては、早々と立地企業が決定して、次に、団地が必要ということもあったかもしれません。しかし、私は、やはり積極的な企業誘致の展開が、相浦地区の工業団地整備に至ったのであろうと理解をいたしております。 今、企業立地推進局も頑張って、全国を飛び回って、約1,000件にも及ぶような営業活動を展開しており、その成果が今着実に実を結んでいるわけでありまして、できれば、この相浦の工業団地完成後には、すぐ次の候補地の整備に取りかかり、いつでも企業誘致の受け皿として十分な体制がとれるように期待もしておりますし、ぜひ、取り組みを行ってほしいと願っております。 今後、特に西九州させぼ広域都市圏での取り組みなどいろいろな課題も含めて、本市経済の活性化のためには、企業誘致の果たす役割を考えたときに、次の工業団地の整備もあわせて、いかがお考えなのか、お尋ねをいたします。 次に、創業支援についてと産業支援センターの充実・強化については、一緒に質問を展開したいと思います。 以前も言っていましたけれども、去年の9月定例会でも、本市が特色ある創業を支援するまちとして全国から創業を目指す人たちが、こぞってこの佐世保を目指して集結できるような特色ある創業支援策、創業施策というものに取り組んでほしいと質問をいたしました。この創業支援については、平成16年に起業家支援センターを万津町に立ち上げ、平成21年には、産業支援センターに名称が変わって、平成28年に現在地に移転をしてきたわけでありますが、残念ながら、いま一つ十分な成果を上げるまでにはまだまだ至っていないのではないかと思われます。 しかし、創業支援というものは、本市にとっても欠くべからず重要な政策だろうと思っておりますので、ぜひ、これまで同様に十分な配慮をしてほしいということから、今回そのことをつかさどる産業支援センターについても、官民連携あるいは産官学連携ということの中で、大いに期待をいたしております。しかし、いかんせん施設が大変古い。 この前、私は、そこへ視察に行ってきましたけれども、外から見ても、あるいは中の状況にしても大変老朽化がひどいことから、ハード面の整備も必要であろうと思っていますし、また、ソフト面においても、私はまだまだ体制が不十分だと思います。そして、コーディネーターが2人という体制をもう少し増員できないのかと。 それと同時に、これからの広域連携というときに、もっと産業支援センターの果たす役割は大きいものとなり、本市経済の活性化の拠点と私は位置づけております。そういう面において、ハード面・ソフト面での産業支援センターの機能充実、強化については、どうか万全の配慮と体制整備を図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 次に、戦略的産業の育成振興について数点ありますけれども、まず、第1次産業については本市における基幹産業だと思っています。今回は水産業に絞ってお尋ねをしたいと思いますが、このことも9月定例会で指摘をさせていただきました。 よく市長があちこちで、本市は全国2位の漁獲量を誇っており、水産業は非常にすばらしいという御挨拶をされますが、一方では、離島部を含めた沿岸漁業は、今は資源の減少や環境の悪化によって、非常に生産性が伸び悩んでおります。また、後継者が育たないなどの課題も抱えております。 私は、その課題対応の中心を担っているのが、水産センターであると理解しております。本市のみならず、県北地域の水産業の最も重要な鍵を握っているものと考えておりますが、この施設も大変老朽化をして、施設改善が急がれております。 前回の質問でもスピード感を持って取り組んでほしいという指摘をさせていただきましたけれども、確認のために、現在の進捗状況についてお伺いをいたします。 もう一つは、本市の産業構造を確かなものにするため、本市の経済を考えたときに、幾つもの産業の柱を立てることが重要なことであると思っています。 製造業を例にとってみても、昭和57年の2,000億円ちょっとの出荷額から、現在は1,600億円あるいは1,800億円と横ばいといいましょうか、逆に低下をしているような状況で、本当に産業構造が脆弱であると言わざるを得ないと思っています。 このような状況を打破するために、今言った水産業の問題、あるいは観光産業は、十分市長の努力によって改善が図られました。そのほかに、私は本市の特性を生かすような、例えば、造船関連産業海洋関連産業防衛関連産業などといった関連産業の育成を戦略的に図っていただきたいと、十数年来主張しております。しかし、残念ながら大きな成果を得るまでには至っおりません。このことを考えたときに、ぜひ私は、戦略的産業の育成、振興という中で、何とか関連産業の育成について万全の体制をとっていただくことができないのか、改めてお伺いをいたします。 2項目めの第6次行財政改革の推進計画についてであります。 私は、このことについては、昭和62年の当選以来、ずっと注目してまいりました。 平成31年度は、第6次佐世保市行財政改革推進計画後期プランの中間年になり、行財政改革は単なる人減らしではないとこれまで幾度となく指摘をしてきましたし、当局からは、必要なところには十分人員の配置をする、市民サービスが低下することがないように努めるという答弁もいただいております。 後期プランにおいては、平成33年度普通会計において、1,930人以下を目指すとされておりますが、定員管理基本方針に基づいて、暫定配置あるいは別途人件費財源が見込まれる人員は別枠管理とするとあります。現状は目標どおりに進められているということでありますが、今後の後期プラン、特に職員定数の見通しはどうなのか、計画どおりに進むのか、具体的に示していただきたいと思います。 以上、1回目の質問を終わります。 ◎観光商工部長(森永博昭君) (登壇) おはようございます。 第1項目めの地域経済の活性化についてのうち、まず、株式会社親和銀行と株式会社十八銀行の合併による影響についてでございますが、金利の上昇や貸し渋りといった寡占による弊害が生じないよう、モニタリング体制の整備などの取り組みが行われるようになっております。 本市の中小企業向け融資制度の状況につきましては、株式会社親和銀行、株式会社十八銀行以外の金融機関のシェアは、1年前の23%から24.9%に1.9ポイント増加しており、特に九州ひぜん信用金庫株式会社長崎銀行などにおいて融資実行の増加など、株式会社親和銀行、株式会社十八銀行に続く金融機関のシェア拡大に向けた動きも見られております。 本市の制度融資は、金融機関、保証協会との協調により、県内制度融資の中でも最も低い水準の金利で運用を行っており、また、中小企業のセーフティーネット的な役割を果たしていくことから、議員御懸念の合併による影響が生じないよう、制度融資の積極的な活用を図っていただくため、さらなるPRに努めてまいります。 次に、3点目の創業支援につきましては、本市では、若者が起業について意識し、また、学生の視点から、事業創出を促すことを目的として、平成28年度から、次世代創業者育成プログラム事業を実施しております。 長崎県立大学、長崎国際大学、佐世保高専の協力のもと、今年度の参加者は110名まで増加しており、回を重ねるごとに学生の関心が高まっており、学校側も積極的な取り組みを進められているところでございます。 このような機運を踏まえ、今後の取り組みといたしましては、プログラムに参加する学生だけではなく、市内外の若年層にも対象を広げ、さらには、市内企業や金融機関からの協力体制も整えることで、オール佐世保によるビジネスプランコンテストにできないか、検討を進めているところでございます。 このコンテストを通して、実現性の高いビジネスプランの掘り起こしや人材育成を図ることで、若い世代が活躍しやすい環境づくりにつなげてまいりたいと考えております。 4点目の産業支援センターの機能充実・強化についてでございますが、産業コーディネーター商工会議所、金融機関などの支援機関との連携は良好であり、市内事業者と創業を志す方々に対しまして、基本的にはそれぞれの役割分担のもと、互いに協力し支援を行っております。 しかしながら、他の支援機関と重複した支援もございますことから、それぞれの支援機関の得意とする分野を生かすことで、さらなる連携の強化を図り、特に支援センターにおいては、先駆的に取り組む創業者や企業の新分野、新事業展開、また、IoT化などの新たな取り組みを重点的に支援する体制にシフトをさせていきたいと考えております。 このことに加え、次年度から予定している広域連携において、施設の共有による創業支援と産業コーディネーターによるビジネスマッチングを進め、西九州させぼ広域都市圏内経済活性化が図られるよう努めてまいります。 ハード面の強化につきましては、建物の老朽化が進んでおり、市の施設再編計画の中で中長期的には建物を廃止、解体するため、平成33年度までに移転先などを検討することとなっております。 そのため、十分な成果が得られますよう、建物の老朽化の状況も勘案の上、センター3階部分の有効活用や創業者などが気軽に使えるコワーキングスペースの整備、来訪者が立ち寄りやすい開放的な空間にするなど、若い世代にも魅力ある環境を整えることが必要であると考えております。 いずれにいたしましても、センターは佐世保市の経済活性化と企業育成の拠点施設でありますことから、有利な立地に加え、充実した機能を備えた施設とするために、さまざまな角度から検討を進めてまいります。 次に、5点目の御質問、戦略的産業の育成・振興についてでございますが、観光業につきましては、昨年、世界で最も美しい湾クラブに加盟した九十九島や世界遺産に登録された黒島の集落、また、二つの日本遺産やハウステンボスなどの豊富な観光資源を生かし、本市の主要産業へと発展しつつあります。 観光業の地域特性を生かした成長に加え、造船、海洋、基地の存在といった本市の地域特性を生かした産業分野の育成は、大変重要なものであると認識いたしております。 こうした地域特性を生かした産業振興の事例といたしましては、戦後すぐに旧海軍工廠の施設と技術を生かして設立されたSSKが中心となって、本市造船業を主要産業にまで成長、発展させました。 また、近年においては、得意とする中型ばら積み船に加え、中型タンカーの建造も手がけるなど、需要拡大に向けたチャレンジが進められております。 また、造船企業をスピンアウトされた技術者の方々が、産業機械を製造開発する企業や流体工学、造船設計などの研究開発型の企業を創業され、それぞれの分野で特筆な技術を有する企業へと成長しております。 海洋関連産業につきましては、本市の企業を含む関連事業者と大学、大手企業などで構成される長崎県海洋環境クラスター協議会が、成長分野と言われる海洋エネルギーの実用化に向けて実証実験を進めており、実用化が進めば、海洋分野における設計、製造、設置、メンテナンスなどへの参入が期待できます。 また、長年、防衛産業に携わってこられた企業が、漁業のIT化に向けた新事業展開のため、新たな企業を設立され、国との連携の可能性が見込まれるなど、今後の展開が期待される企業も出てきております。 このように、造船、海洋、防衛関連の分野においても、地域特性を生かしながら、事業拡大や多角化などが進められており、観光産業などとともに、今後の成長分野として期待しているところでございます。 その実現のためには、こうした地域特性を生かした分野で、企業がこれまで培ってきた強みを生かして行う業種横断、異業種参入、新業態創出などの取り組みを行政として後押ししていくことが必要であると考えております。 以上です。 ◎企業立地推進局長(豊原稔君) (登壇) 1項目めの地域経済の活性化についての御質問のうち、2点目の企業誘致の一層の推進についてでありますが、新たな雇用の受け皿となる工業団地の整備を行うべきとのお尋ねがありましたので、私からお答えをいたします。 議員御指摘のとおり、企業誘致は、人口減少や若者の流出など厳しい状況を打破し、活力あるまちづくりの実現に有効な手段の一つであると考えております。 また、優良な企業の誘致は、本市はもちろん、周辺市町の雇用の確保にも貢献ができ、例えば、ウエストテクノ佐世保では、従業員の約1割は西九州させぼ広域都市圏の連携市町から通勤をしており、広域都市圏の活性化にも寄与するものと考えております。 現在、相浦地区において佐世保相浦工業団地を整備中であり、スケジュールどおり、ことし9月の完成に向けて鋭意対応しているところであり、本市といたしましては、今、現存いたします工業用地並びに佐世保相浦工業団地につきまして、一丸となって企業誘致活動と工業団地の整備に取り組んでおります。 議員御懸念のとおり、複数の企業から進出のオファーがあった場合のことを考慮すると、一定規模以上の工業団地を新たに整備する必要も考えられますが、現時点におきましては、佐世保相浦工業団地への誘致に注力する所存です。 佐世保相浦工業団地の誘致にめどが立った時点で、そのときの経済情勢を踏まえ、また、企業が何を求めているのかということをしっかり分析しながら、新たな工業団地を整備するか否かの判断をすべきと考えております。 なお、候補地の選定から団地の完成まで、少なくとも5年程度の期間は必要と思われます。そのため、随時、一定規模以上の土地に関する情報収集に努め、新たな工業団地整備が必要な際には、時間をかけずして着手できるよう、準備を進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ◎農林水産部長(浜田祝高君) (登壇) おはようございます。 1項目め、5点目の戦略的産業の育成・振興についての中で、第1次産業、特に水産業についての御質問がございましたので、私からお答えさせていただきます。 現在、本市の水産業は、漁業者の高齢化や後継者不足に加え、燃料費などの高騰を考えますと、高齢者や新規就業者が少ない費用で創業できる沿岸漁業の重要性がますます高まっております。 その資源の維持、増産につきましては、本市の基幹産業であります水産業の大きな課題の一つであると考えております。 加えて、来年度から、周辺市町とともに栽培漁業の広域連携に取り組み、より効果的な資源増殖を図るため、さらなる種苗の量産も必要となってきております。 これらの課題解決の中心となります水産センターは、開設から32年が経過し、老朽化が進んでおります。このため、長年にわたって培ってきた技術や情報を生かした、さらなる種苗の増産や新たな魚種の開発が困難な状況になってきていると認識いたしております。 水産センターの老朽化の解消を含めた機能の強化につきましては、現在、事業着手に向け、有利な財源を確保するため、水産庁などに出向き、協議を行っているところでございます。 今後は、議会での御承認をいただきまして、スピード感を持って事業着手、進捗を図っていきたいと考えております。 以上でございます。 ◎副市長(山口智久君) (登壇) おはようございます。 2項目めの第6次佐世保市行財政改革推進計画について御質問いただきました。 厳しい財政見通しの中、収支不足額を解消させることにより、健全な財政運営のもとで行政サービスの安定的な提供を図るため、現在、第6次佐世保市行財政改革推進計画後期プラン)に取り組んでおります。 この計画における改革の視点として、「1.職員の意識改革、自発的改革の取り組み」、「2.適正な行財政規模への是正と受益者負担の適正化」、「3.官民連携の推進」の三つを重点推進項目に掲げております。 また、数値目標の一つであります定員管理の適正化については、普通会計部門における職員数で1,930人以下を目指すことといたしておりますが、議員御案内のとおり、定員管理基本方針に基づき、現在のところ、計画どおり進捗を図っているところです。 また、今年度から取り組んでおります窓口受付・庶務業務集約化部門における業務量把握・分析により、今後の適切かつ効率的な業務執行体制につなげていきたいと考えております。 一方で、業務の適正処理、すなわち法令遵守や市民サービスの低下を来さないという観点は、当然のこととして対処しなければならないものでありますことから、議員御指摘のとおり、行財政改革は単なる人員削減ではなく、必要な部署については体制の整備や人員配置を行い、行政サービスの円滑な執行に取り組んでまいりました。 御質問いただきました今後における具体的な見直し方策、すなわちどこの部門の職員をどのように見直すのかということについては、限られた資源の適切な配分を念頭に、「民間にできることは民間に」を基本として、あるいは総務省が地方交付税の算定基礎としております、いわゆるトップランナー方式に該当する部門を視野に入れ、見直しを考えているところです。 内部では、これらを内容とした案を持っておりますが、関係団体との調整などが必要なため、計画どおりに進まないケースもありますことから、それをお示ししていない状況でございます。 人員体制のあり方につきましては、健全な財政運営を目指しつつ、より質の高い行政サービスをより低いコストで提供するという行財政改革の趣旨を踏まえ、常に検証を行いつつ、取り組んでまいります。 以上です。 ◆24番(宮城憲彰君) (登壇) 再質問をいたします。 1項目めの6番目、機構改革についてでありますが、このことについては、実は私も大変悩みがありまして、皆さんを納得させるような明確な根拠を持っているわけではありません。ただ、今の観光は主要産業として本当に定着いたしましたけれども、水産業を含む1次産業から3次産業、あるいは企業誘致ということを考えたときに、私は、経済政策や産業政策については、先ほど産業支援センターのところでも申し上げましたように、本市経済の活性化という意味で、脆弱な産業構造を足腰の強い産業構造に変えていくためには、どういうことを戦略的にやっていかなければいけないかという主張もいたしました。 私はそういう面において、やはり観光商工部よりも、経済政策や産業政策ということの中で本市経済を取り扱っていくほうがわかりやすいことから経済部という形の部署を提案いたしております。このことが果たして市長にとって、あるいは理事者の方々にとって、論理的かどうかは別として、1次産業から3次産業、あるいは企業誘致ということと、観光が必要であれば観光で特化する形もとれましょうし、今の観光商工部ということでは、佐世保市全体の経済というイメージがどうしても私は湧いてこない。こういうところでの質問でありますが、その後、若干の検討、見直しがあったのか、簡単にお答えください。 それと、行財政改革でありますが、先ほど山口副市長から答弁がありました。 私も、地方公務員法の第55条というものをつぶさに見てみました。今の答弁では、山口副市長としては、具体的な部署については内部的には計画を持っているが、そこは関係団体との調整の必要があるとのことでした。おそらく、関係団体というのは職員団体のことかと私は推察をいたしておりますが、地方公務員法では、適法な交渉が規定されています。しかし、行財政改革に関すること、とりわけ定数や組織再編といったことは管理運営事項であり、すなわち交渉の対象とできないのではないかと私は解釈をいたしております。現在の交渉のあり方そのものが、行財政改革のスピードを鈍らせているのではないかと感じております。現行の交渉の方法と考え方及び課題についてお尋ねをしたいと思います。 以上、2回目の質問を終わります。 ◎観光商工部長(森永博昭君) (登壇) 再質問をいただきました。 産業関連部局の機構改革についてでございますが、平成30年9月定例会の一般質問におきまして、機構名の変遷を御紹介した上で、「次期総合計画は、政策体系と組織体系の一致、そして、マネジメントの視点を持って策定することになりますので、議員のお考えも参考にさせていただき、組織とその使命について整理をさせていただきたい」と答弁をさせていただきました。 次期総合計画では、第1次産業を対象領域とする農林水産政策とあわせて、第2次、第3次産業を対象とする観光商工政策、企業立地政策の3本の政策を企業活性化の推進エンジンとして位置づけ、策定作業を進めているところでございます。 そのため、政策別に所管部門ごとに、政策推進を図ることが基本となりますが、第1次産業から第3次産業までの生産活動を経済政策の対象領域と捉え、佐世保市の経済全体を俯瞰し、部門横断的な取り組みを調整する機能を常に持つことが不可欠であります。 また、議員御提案のとおり、市民や事業者の皆様にとってわかりやすい名称を考える視点を持つことの重要性は十分に認識いたしております。 機構改革につきましては、事務分掌や名称の検討とあわせて、さきに述べましたような新たな機能をどのように位置づけるかについて、引き続き検討してまいりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。 以上です。 ◎副市長(川田洋君) (登壇) 現行の職員団体との交渉の手法及び考え方並びに課題についてお尋ねがございました。地方公共団体におけます交渉につきましては、ただいま議員が御紹介されたとおり、地方公務員法第55条第1項におきまして、「地方公共団体の当局は、登録を受けた職員団体から、職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関し、及びこれに附帯して、社交的又は厚生的活動を含む適法な活動に係る事項に関し、適法な交渉の申入れがあった場合においては、その申入れに応ずべき地位に立つものとする」として、規定がございます。また、交渉の相手方と交渉対象事項が記されているわけでございます。 また、第3項におきましては、「地方公共団体の事務の管理及び運営に関する事項は、交渉の対象とすることができない」とされております。 また、同条第5項におきまして、「交渉は、職員団体と地方公共団体の当局があらかじめ取り決めた員数の範囲内で、職員団体がその役員の中から指名する者と地方公共団体の当局の指名する者との間において行わなければならない。交渉に当たっては、職員団体と地方公共団体の当局との間において、議題、時間、場所その他必要な事項をあらかじめ取り決めて行うものとする」と交渉の方法についても記載されております。 本市の現状といたしましては、職員の給与など勤務条件自体の変更を行う場合につきましては、地方公務員法上の交渉という位置づけで行っておりますけれども、組織の改編や民間委託等により、勤務条件に影響を与えると思われる事項につきましては、交渉ではなく、事前協議という位置づけで職員団体と協議を行っております。 なお、交渉や協議を行う場合、まずは双方の事務レベル担当者で議題、論点の整理や日程の調整を行う予備交渉あるいは予備協議を行い、その後、職員団体執行委員及び当局の部局長との本交渉、本協議を行う流れとなっております。 ただし、いずれの場合におきましても、双方が合意した事項の実施については、当然でございますけれども、条例や予算といった形で議会の審議、議決を受けることが前提であるということの認識のもとに、交渉や協議を行っているところでございます。 このように交渉と協議について、一定の区分けを行いつつ臨んでいるところでございますけれども、十分な検討とともに、職員団体と事前協議を行うことにより、双方が理解をするよう努めていることから、一定の時間を要している状況にございます。 また、過去においては、当初の方針を変更して、例えば、業務の見直しの時期や手法を変更したり、あるいは見直しそのものを取りやめた事例もあるなど、これらは一つの課題であると認識しているところでございます。 以上でございます。 ◆24番(宮城憲彰君) (登壇) それでは、再々質問をしたいと思います。 答弁時間が若干ありますので、市長には通告外のこともあろうかと思いますが、お答えいただければ大変ありがたいと思います。 経済政策については、昭和62年に議員へ初当選をしたときに、朝長市長も初当選をされました。そして、本市経済の活性化というテーマで、ともに競い合ったことをつい先日のように思い出しております。市長も、全く同様の立場から経済活性化に対する思いがあったと思います。 そういう思いを込めて、今や佐世保市を担う市長と、これから去っていくであろうという議員のやりとりになるわけでありますが、どうぞ時間の限りにおいて答弁をいただければありがたいと思います。 まず、本市水産業の活性化については、基幹産業としての位置づけもあり、重要な政策であると思っています。確かに、漁獲量については、全国2位を誇るまでに至っておりますが、その実態となると沿岸漁業は低迷しております。そのことによっての離職が、特に離島周辺部においてどんどん進んでおります。これは本市にとっても大変ゆゆしき問題であり、課題でもあります。 私は、そういう沿岸漁業に従事している生産者の思いというものを受けながら、今回、水産センターの役割と重要性についてお伺いをしておりますが、水産センターについては、何回となく現場を視察し、ハード面での施設のお粗末さ、狭隘さを考えると、ソフト面とともに、それぞれ建てかえや改修を行い、種苗の生産、あるいは広域での水産業を振興していく拠点として水産センターを位置づけていく必要があると考えております。 しかし、今の施設や取り組みでは、広域圏の拠点施設として十分に機能していくには、余りにも課題が多過ぎる。早急な対応が迫られていると思っております。そのため、これからの第7次総合計画における位置づけや経済の活性化ということもあわせて、私は、連携中枢都市圏による広域連携の問題もあわせ、ぜひ本市の特色でもある水産業の振興のために、あるいは沿岸漁業者のために、水産センターの充実強化について、市長の御配慮をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 次に、企業誘致についてでありますが、これは、答弁時間によっては割愛していただいても結構です。これは先ほども申し上げたように、非常に重要な施策であり、今後も継続しての取り組みを期待している事業でもあります。 もう一つ大事なのは、やはりオフィス系の企業を誘致していくことも大事なのではないかと思っております。あわせて企業誘致における課題として、私が一番懸念しているのは水源の問題です。水を使わない企業を誘致することについては、局長以下頑張っておられるけれども、やはり制約があるはずです。水を豊富に使えるような団地造成あるいは水源の確保ということが、喫緊の課題であると思いますが、この点について何か市長としての御見解があればお伺いをいたします。 次に、創業支援と産業支援センターの充実でありますが、ここはまさにこれからの佐世保市の経済を担っていく最大の拠点にもなり得る産業支援センターが、3年後、平成33年度には廃止、そして解体されてしまいます。ですから、移転先を今から考えていきたいとのことでありますが、現在地での建てかえは無理なのでしょうか。 やはり私は、すぐ近くに商工会議所があって、そして、金融機関があって、学との連携もとりながら、産官学金という連携と、もう一つは広域連携ということの中で、本市の産業構造における中小企業の振興・育成の拠点としての位置づけが欲しいわけでありますが、先ほどの御答弁では、移転先を探すということでありました。 移転先を探すとしても、私はやはり制約はあろうかと思います。建てかえが無理ならば、今の商工会議所の付近に、早急に候補地を見つけるべきであると思いますが、どこか見通しでもあるのでしょうか。私はこのことについては非常に関心を持っております。市長にも、ぜひ産業新センターの充実強化ということについては、意を用いていただきたいし、残念ながら移転を視野に置くとなれば、移転先にも注視したいきたいと思います。 そこで、これからの官民連携、広域連携の中で、連携中枢都市圏の拠点としてのあるべき産業支援センターの位置づけについて、いま一度、市長の御意見をお伺いします。 次に、戦略的な産業の育成・振興についてであります。 このことは先ほどから一定の御答弁もいただきました。言葉で言うのは簡単ですけれども、本市の特性と言われる造船、海洋、そして防衛というこの特色を生かす、あるいは関連産業の育成というものがなかなか成果を上げていかないということについて、私は十分意を用いていただければと思っています。戦略的な産業の育成・振興について、再度、簡単で結構ですが、市長の御見解があられましたらお伺いをいたします。 それともう一つ、行財政改革の件でお尋ねをいたしますが、市役所の職員は、労働者である以前に公務員であると私は思っています。労働者の権利に基づくものとして、労使間で長年積み重ねてきた結果としての労使慣行があるとは言いながら、スピードが鈍ることで市民サービスに不都合が生じるような事例があったのではないのか。私は、やはり市民の利益が最優先されるべきだと思っています。 また、勤務条件に関する部分を協議するとしても、管理運営事項に関する当局の考え方が変わるのはおかしいと思っています。だとすれば、当局の意思決定により、内容を公表することができるはずです。 先ほど、山口副市長、そして川田副市長からそれぞれに担当のところでの質問に対する答弁をいただきました。少し釈然としないところもありますけれども、これからの行財政改革は、第6次佐世保市行財政改革推進計画にも書いていますように、より質の高い行政サービスをより低いコストで提供するとともに、健全な財政運営を図るために、今の後期プランを実施しているわけであります。今年度は、その中間年度に当たるわけですから、ぜひ今、再々質問で私が指摘しました市民サービスのための行財政改革という、この精神を忘れることなく取り組んでもらいたく、市長に対する質問にいたしたいと思います。 これで私の質問も最後となりました。議長にお許しをいただいて、若干のお時間を頂戴したいと思います。 昭和62年に初当選以来32年間、一生懸命、私なりに議員生活に邁進してまいりました。今思えば32年前、同じ会派を立ち上げた久池井議員も、私同様に引退をされるということであります。 振り返ったときに、市政クラブを立ち上げ、そしてひたすら保守系の会派として是々非々で頑張ってきたつもりであります。いろいろな楽しいこともいっぱいありました。つらいことも悲しいこともいっぱいありました。しかし、よき思い出となっております。朝長市長や理事者方々におかれては、何回も先ほどから言っているように、これから市民のために、どうか市民サービスの向上のために頑張っていただきたいという思いでいっぱいであります。 それと、議員の皆様に対して、本当にふつつかな私をいろいろな形で支えていただいてありがとうございました。心から感謝を申し上げます。 選挙も間近でありますから、皆さんの再選を期して、そして、この議場でこれまで同様に、大いに市民のために頑張っていただければ、これにすぐる幸せはありません。 朝長市長、また、議長には、この時間を頂戴しありがとうございました。議長を初め、議会の皆様の今後のますますの御健勝と御活躍を祈念して、そして、朝長市長、理事者の方々のあわせての御健勝を心から祈念申し上げまして、私の32年間の議員生活に終止符を打ちたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ◎市長(朝長則男君) (登壇) おはようございます。 今、宮城議員の再々質問で、32年間の思いを話していただきました。私も、感きわまるというのでしょうか、胸が熱くなっております。 そういう中で御答弁させていただくわけでございますが、まず、第6次佐世保市行財政改革推進計画について御質問がございましたので、そちらから触れていきたいと思っております。 労使関係について御指摘をいただきましたが、これまでの労使のあり方自体を否定するつもりではございませんし、結果として、行財政改革が一定進んでいることについても評価しているところでございます。 しかし、一旦決定した方針を変更しているケースがあることや、今後の具体的な計画があらかじめ公表できていないことは事実であり、解決すべき課題と捉えております。 今後、収支不足幅が拡大する見込みであること、新たな行政上の課題が出てくるであろうことを考えると、行財政改革を着実に、あるいは加速して進める必要があり、定員管理が予定どおりに進まない場合、結果的に財政計画に影響を与える事態になりかねないと思っております。 特に、国のトップランナー方式の影響というのは、やはり私ども十分に考慮しなければいけない、そして、大きな課題であると捉えておりますので、国の動向も見きわめつつ、トップランナー方式を意識しながら、改革を進めていかなければいけないと思っているところでございます。 これからのことを見据えますと、関係団体との交渉のあり方、すなわち対象範囲、やり方等について見直す必要もあると考えているところでございますので、急ぐべき課題と認識しているところでございます。 次に、経済の活性化ということで議員の思いを十分語っていただいたわけでございますが、まず、個別のことにつきまして答弁させていただきたいと思います。 佐世保市の地域特性を生かした経済活性化を積極的に推進する上での総合的な見地からの市長の見解をということでございますので、答弁させていただきます。 まず、さきの答弁にありました水産センター産業支援センターの充実強化についてでございますが、沿岸漁業の振興の中核を担う水産センターの機能強化については、将来の本市の水産業に大きく貢献するものと考えておりますので、その実現については私も努力をしてまいりたいと考えているところでございます。 特に、議員が御説明されたように、現在、佐世保市の漁獲高は全国第2位でございますが、これはいつまで続くかはわかりません。やはり今のまき網を中心にした漁獲高になりますと、天候や気候に左右されることもあろうかと思います。そういう意味では、議員御指摘のように、沿岸漁業を大事にするためには栽培漁業をしっかり取り組むべきということだと思いますし、また、養殖業に関しまして、力を入れていくべきだと思っております。そのためには、水産センターを充実しながら、漁業を営まれる皆さんとともに進んでいくことが必要ではないかと思っているところでございます。 それから、創業支援、広域連携の拠点となる産業支援センターについては、さきの観光商工部長の答弁にもございましたとおり、第2次・第3次産業の活性化というセンターの果たすべき役割は、今後さらに重要なものになると考えております。 産業支援センターは、創業者や市内企業の支援はもちろんのこと、商工会議所等の支援機関と一体となった支援体制を構築するなどの先導的な役割を今後さらに積極的に推進していく必要があるかと思っております。 そうした役割を果たしていく上でも、センター機能をどのように強化していくか、さらにはワンストップサービスが実現できるような立地を含め、検討を進めていかなければならないと思っているところでございます。 次に、産業振興における私の見解でございますが、産業振興における行政の役割は、第1次産業から第3次産業まで業種を問わず、生産活動に携わる方々の経営基盤を強化し、維持・発展できるよう支援し、ひいては地域経済を活性化することが使命であると認識いたしております。 議員御提案のとおり、本市の経済活性化を促進するに当たり、地域特性を生かすという視点は大変重要な要素であり、私も意を同じくするものでございます。 まずは、水産、造船、海洋、防衛関連産業といった本市の強みである地域特性を生かした産業分野を水産センター産業支援センターの支援を通して、より足腰の強い産業に育成し、経済の活性化の原動力としていきたいと思っております。 また、創業へのチャレンジを支援するまちづくりは、本市の産業構造に新たな息吹や革新をもたらすことが期待できますし、若い人たちが興味、関心を持てる多様な雇用の場の創出にもつながることも期待できると考えています。 企業誘致の積極的な推進については、UJIターンの移住希望者の新たな雇用の受け皿となり、人口減や若者の流出に歯どめをかけるための有効な手段となることも期待ができると思っております。 また、オフィス系企業等につきましてもお触れになりました。雇用の多様化、職業選択の多様化は非常に大事なことだと思っておりますので、そういう見地から幅広く企業誘致を進めていくことは肝要なことだと思っているところでございます。 ただ、水源については我々どもにとりましても、非常に大きなネックになっているところでございまして、非常にいい企業と思ったところでも、最終的に水がないということで厳しい状況になってきていることも事実でございます。水源の問題も、今後解決をしていくことは当然のことでございますが、今の段階におきましては、水を使わなくてもいいような企業を中心に企業誘致を進めていくことが現実的ではないかと思っているところでございます。 こうした考えを実現すべく、現在、策定作業を進めている次期総合計画である第7次総合計画においては、その基本目標において、企業や生産者の生産性向上、効率化と西九州させぼ広域都市圏の人口規模と経済を維持するための都市圏における連携効果の拡大を掲げていきたいと思っております。 今後も、産業振興については、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。 宮城議員が、昭和62年の初当選のことについてお触れになられました。私も、議員と同じく当選をさせていただいたわけでございますが、そのときの宮城議員のポスターが大変印象に残っております。愛宕山を背景に、立って写真に写っていらっしゃるポスターの姿を見まして、どういう方かという思いを持って、この議場に入りました。そして、いろいろなことをお話しする中で、経済の活性化について、やはり佐世保市は頑張らなければいけないというような思いでございました。 その背景には、その当時の企業倒産件数が非常に多かったということがございます。昭和61年度、選挙の前の年でございますが、何と51件、66億円の倒産での負債額がございました。それが、平成29年度では7件、6億円ということでございまして、10分の1に減ってきているということでございます。 また、有効求人倍率といたしましても、昭和61年度では0.44でございました。しかし、直近では1.65という有効求人倍数になっているということも事実でございます。 また、観光につきましても、昭和61年度、180億円の観光消費額が、若干の現在の数字のとり方は課題もあろうかと思いますが、約1,200億円という数値になっていることも事実でございます。 そのようなことで、これまで宮城議員から(終了ブザー)佐世保市の経済の活性化ということにつきまして、さまざまな御提言をいただきました。そして、中小企業をしっかりとやっていこうということで、セーフティーネットの充実、あるいは制度融資のことにつきましても御提言をいただきながら進めてくることができたと思っております。 そういう意味で、創業支援等につきましても、今後の新たな課題として取り組んでまいりたいと思っているところでございますが、この32年間本当に御苦労さまでございました。宮城議員のこれまでの御活躍に心から御礼を申し上げまして、私の答弁とさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(市岡博道君)  20番大塚克史議員。 ◆20番(大塚克史君) (登壇) おはようございます。 今、32年の議員生活という思いが詰まった宮城議員の質問の後に質問させていただくということは非常に重圧ですが、私も16年間、宮城議員から、議会の中で、そして地域の中でさまざまな御教示をいただきながら、現在に至っております。そういった姿を後から見て、この重圧をいい緊張感に変えて、質問を展開させていきたいと思います。よろしくお願いいたします。 今回は、防災・減災の取り組みについて、小項目三つを通告させていただいておりますので、順次質問を進めていきたいと思います。 東日本大震災から間もなく丸8年を迎えます。ここに改めて、お亡くなりになられた皆様方に御冥福を申し上げますとともに、今なお不自由な生活を送られている皆様が、もとの生活に戻られることをお祈り申し上げたいと思います。今後、大きな節目となります復興創生期間が終わるまでの2年間に、真の人間復興がなし遂げられることを期待申し上げたいと思います。 改めて東日本大震災の教訓を思い起こし、ハード・ソフト両面から地震や津波など災害の対策を強化しなければなりません。その意味で気になるのが、「私たちは大丈夫、本市は大丈夫」とたかをくくっている声が、いまだに少なくないように思えるところでございます。 このほど日本世論調査会が行った調査結果におきましても、自然災害に恐れを感じている人は77%に上りますが、実際に避難訓練などに参加している人は35%、災害発生時に自身がとるべき行動を決めている人も50%程度にとどまっております。 東日本大震災の際、岩手県釜石市の鵜住居地区にある小学校と中学校では、子どもたちが、自分の命は自分で守るという標語である、「命てんでんこ」のとおりに率先して高台に逃げ、全員助かったことから、メディアからは釜石の奇跡と称賛されたことは周知のとおりであります。しかし、地元では、あれは奇跡ではなく、釜石の実績と言われていることは余り知られておりません。子どもたちは、日ごろから高台に逃げる訓練を日課とし実践していたことが生かされたというわけであります。まさに日ごろの備えにまさる対策はありません。 そこで、通告をしております防災・減災の取り組みについてでありますが、近年の自然災害を通して得られた教訓を踏まえて、備えは万全なのか、これまでの対策を質、量ともに飛躍的に充実、強化する必要性があると考えていることから、今回の質問をいたします。 まず、小項目一つ目のため池の決壊防止策についてでございます。 昨年7月の西日本豪雨では、広島県において、23カ所のため池が決壊するなど、全国で32カ所のため池が決壊し、農業施設にとどまらず、下流域の家屋等に甚大な被害が発生しております。 今回、国は、西日本豪雨で決壊したため池のうち、防災重点ため池に指定されていなかったものが29カ所あったことを重く受けとめ、防災重点ため池の選定基準の見直しが行われております。 今までの選定基準が、下流域に人家や公共施設等が存在し、堤高10メートル以上または貯水量10万トン以上であったものを、新基準では、一つ目に、ため池から100メートル未満の浸水区域に家屋、公共施設等があるもの、二つ目に、ため池から100メートルから500メートルの浸水区域に家屋や公共施設があり、かつ貯水量1,000トン以上のもの、三つ目には、ため池から500メートル以上の浸水区域に家屋、公共施設等があり、かつ貯水量5,000トン以上のものなどと定め、平成30年11月に地方自治体に対し、防災重点ため池を再選定をするように通知されております。 また、平成31年2月19日には、農業用ため池について、その適正な管理及び保全に必要な措置を講ずることにより農業用水の確保を図り、農業用ため池の決壊による水害、その他の災害から国民の生命及び財産を保護し、もって農業の持続的な発展と国土の保全に資することを目的に、新しく農業用ため池の管理及び保全に関する法律案が閣議決定をされ、今国会での成立を目指されております。 同法案では、防災上重要なため池の改修などを進めることが柱となり、防災重点ため池として都道府県が特定農業用ため池を指定し、所有者や管理者に対する届け出の義務づけやため池データベースの充実を図るとともに、必要な防災工事の施工命令ができるようになるというものであります。 さらに、国におかれましては、平成30年7月豪雨やその後の台風、北海道胆振東部地震などの被害を受け、ソフト・ハードの両面からインフラの機能を強化し、災害時に命を守り、暮らしと経済を支えることを目的とした「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に取り組まれております。 そこで質問でありますけれども、防災重点ため池の再選定や「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」により、地域や市民を守るためのため池の防災・減災対策をハード面、ソフト面において現在どこまで行っているのかお伺いをしておきたいと思います。 それから、農業用ため池の管理及び保全に関する法律案が今後、法整備をされることによりまして、ため池の防災対策が画期的に進むのではないかと考えますが、当局の認識をお伺いしておきたいと思います。 次に、小項目二つ目の河川内の河道掘削・樹木伐採の現状についての質問であります。 近年、記録的な集中豪雨が頻発しており、河川の氾濫による水害も全国的に多発をしております。 本市においても、平成30年7月の西日本豪雨では、相浦川や早岐川で氾濫危険水位を超える状況でありました。市内には、豪雨時に上流から流されてきた転石や土砂が堆積したり、ダンチクが繁茂して川底が見えない状況になっている河川も多く見られ、河川内の堆積物や樹木等が障害物となり、河川が氾濫するおそれがございます。 このような状況を踏まえて、ため池の質問でも触れましたが、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」の取り組みが強化をされているところでございますが、佐世保市内の二級河川における河道掘削や樹木伐採など、3か年緊急対策の取り組みにつきまして、現在どのように進んでいるのか、お伺いをしておきたいと思います。 また、佐世保市が管理する準用河川と普通河川につきましても、転石や堆積土砂、ダンチクが繁茂して川底が見えない状況が市内各所で散見されます。防災・減災、国土強靱化の観点から、河川の大小に関係なく、河道掘削や樹木伐採など防災の対応が必要であると考えますが、現状の認識とこれまでの対応について伺います。 小項目三つ目は、観光危機管理の充実についての質問であります。 国内に多くの観光客を有する我が国にとりまして、観光業は主要産業となっております。また、政府は、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年までに、年間の訪日外国人観光客を4,000万人までふやすことを目標とし、観光立国の実現を目指しています。 こうした中にあって、昨年9月には、台風21号の上陸や北海道胆振東部地震で大きな被害が発生し、関西空港や新千歳空港が一時閉鎖され、札幌市内のホテルでは、ブラックアウトによる停電等で観光客に大きな影響が出ました。 とりわけ外国人観光客にとっては、多言語での災害、交通、避難情報が十分でないなど、災害時の対応に大きな課題を残しました。 災害の多い我が国においては、観光業における危機管理は重要であり、各自治体における外国人を含む観光客に対する防災や災害時の支援体制の構築が進められているところであります。 本市におきましても、今後増加が見込まれる訪日外国人観光客に対しまして、しっかりと対応していく必要があると考えますが、現在、本市では災害時の支援体制の構築がどのように進められているのか、お尋ねをしておきたいと思います。 以上で、1回目の質問を終わります。 ◎農林水産部長(浜田祝高君) (登壇) ため池の決壊防止策について、私からお答えさせていただきます。 ため池の防災・減災対策の推進といたしまして、国から、平成23年の東日本大震災や平成28年の熊本地震でのため池の決壊を受け、耐震点検やハザードマップの作成など、ため池の防災・減災対策の推進方針が、地方公共団体に通知されております。 このことを受けまして、本市では、平成28年までに一定規模以上のため池につきまして一斉点検を実施し、漏水量が国の防災・減災事業の採択要件を満たすため池10カ所につきましては、県営事業として計画的にハード対策として改修を実施いたしております。 また、漏水量が少ないため池の修繕や小規模改修につきましては、市の単独助成事業などにより、ため池の保全に努めているところでございます。 一方、ソフト対策といたしましては、本市と長崎県を合わせて42カ所を防災重点ため池に指定し、耐震点検や流域住民の避難の目安と災害に対する意識の啓発を図るハザードマップの作成を進めております。 昨年11月に、国から防災重点ため池の新しい選定基準が示されておりますが、これを市内に存在する市所有のため池83カ所、水利組合などが所有されます民有ため池1,172カ所に当てはめますと、市内で調査済みの貯水量1,000トン以上のため池で、下流域に家屋や公共施設等がある262カ所のうち、現時点で防災重点ため池に指定していない220カ所が、新たな防災重点ため池に指定されることになります。 あわせて、台帳のみで管理している貯水量1,000トン未満の民有ため池921カ所におきましては、平成32年度までに詳細調査を行い、国の新たな選定基準に該当するため池につきましては、防災重点ため池に追加指定されることになります。 また、「国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に伴いまして、今後、防災重点ため池に指定されるため池につきましては、本市において、ため池マップの作成とため池ごとの浸水想定区域図の作成を国庫補助事業として、平成32年度までに行うことになります。この事業が完了した際には、緊急時の迅速な避難につながる減災対策が大きく前進するものと考えております。 また、ことし2月19日に閣議決定された農業用ため池の管理及び保全に関する法律案では、所有者等による県への届け出の義務づけ、県によるデータベースの整備、公表、所有者等による適正管理の努力義務、適正管理が行われていない場合の県による勧告や立入調査など、県の権限が大きくなるというものでございます。 これまで法律がなかったため池の保全や管理につきまして、新しくルールが位置づけられることで、所有者等による適正なため池の管理とデータベースの公表による周辺住民への意識づけが法整備のメリットと考えております。 そこでは、所有者不明で適正な管理が困難な特定農業用ため池につきましては、市町村が管理権を取得できる制度が創設され、危険な状態にあるため池につきましては、市が所有者にかわって必要な対策ができるというものです。 県内で一番多くのため池を抱え、現在、利用者はあるものの、台帳上所有者不明のため池が200カ所程度存在する本市といたしましては、危険な状態にあると判断されるため池の整備が可能となり、防災・減災として、市民の生命や財産を守ることにつながるものと考えております。 以上でございます。 ◎土木部長(杉本和孝君) (登壇) 河川内の河道掘削・樹木伐採の現状につきましてお答えいたします。 防災・減災の取り組みのうち、河川に関しましては、九州北部等の豪雨災害を受けて、平成29年12月、国において取りまとめられた中小河川緊急治水対策プロジェクトに基づき、一級河川及び二級河川のうち約2万河川を対象に、全国で実施された緊急点検等を踏まえ、特に緊急に実施すべき対策として、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」が平成30年12月に閣議決定され、ソフト・ハードの両面から集中的に取り組まれることになりました。 この中で、議員御指摘の緊急対策として実施される河道掘削や樹木伐採等の対策につきましては、さきの緊急点検において、流下阻害等によって洪水、氾濫による著しい被害が生じると判明した河川のうち、近年、浸水実績がある箇所など、全国の約2,340河川について実施するという考え方が示されております。 市内においては、県が管理する二級河川が47河川あり、河道掘削や樹木伐採等の対策については、これまで地元からの要望を基本とし、緊急性の高い箇所から県の単独予算において順次対応していただいておりましたが、国の緊急対策を受け、県とされては、国の交付金事業を活用した対策の強化に向け、積極的に予算を要求されると伺っております。 また、本市においても、昨年11月、県北振興局長に対し要望書を提出し、土砂浚渫及び伐採のより一層の促進と計画的な実施についてお願いしたところであり、引き続き、県の施策に関する本市の課題の一つとして、強く要望していきたいと考えております。 さらに、3か年緊急対策として、集落を流れる河川や過去に災害が発生した河川など、重要度が高いと判断される犬尾川など市内15河川に1カ所ずつ、増水時のみ水位を観測する小型で低コストの危機管理型水位計を現在設置中であり、3月末に完了予定で、4月以降には、一般財団法人河川情報センターのホームページから水位情報が確認できるようになると伺っております。 また、平成33年度までに、相浦川など市内7河川に1カ所ずつ、視覚的な水位確認を行うための監視用カメラの設置も予定されております。 このほか、現在事業中の日野川及び早岐川における河川改修事業のさらなる整備促進についても要望されております。 このような二級河川の水害対策につきましては、国の支援を有効活用し、水害から市民の命を守るための対策を推進していただくよう、今後とも県に働きかけてまいりたいと考えております。 一方、本市が管理する河川につきましては、河川法に基づく二級河川の規定を準用する準用河川と、河川法が適用されない小さな河川を総称した普通河川があり、議員御指摘の市が管理するこれらの河川についても、防災・減災、国土強靱化の観点から、河道掘削や樹木伐採等の必要性は十分認識をいたしております。 しかしながら、その総数は761河川、延長にして約468キロメートルに及ぶため、河川沿いにお住まいの方々からの通報や地元代表者からの要望に基づき、緊急性の高い箇所から、護岸などの改良工事や浚渫、伐採などの維持工事を市の単独予算の中で順次対応している状況でございます。 特に、管理河川の大部分を占める普通河川については、古くから周辺住民の日常生活に必要不可欠な用排水路として利用されていたこともあり、これまで伐採や清掃などについては、地元の皆様の御協力のもと、維持管理に努めてきたところでございます。 このような中、過去の市民大清掃において発生した河川内清掃作業中の事故を受けて、現在は、安全が確保できる範囲に限り対応していただいており、また一部では、高齢化に伴い、作業が困難となっている地域もあるなど、ここ数年は地元による伐採などの対応が減少傾向にあるため、今後、地元からの要望増加が見込まれます。 先ほど述べましたように、本市が管理する河川数は非常に多く、また、管理延長も長いため、河川全般のパトロールなどにより異常箇所を発見し、対応することは現実的に困難な状況でございますので、河川の異常箇所などを発見された場合は市へ通報していただくなど、今後とも市民の皆様の御協力をお願いしたいと考えております。 市といたしましても、市民の皆様からいただいた情報をもとに、地元代表者の方と協議の上、近年、局地化、激甚化する豪雨災害に対し、緊急性の高い箇所から効果的な防災・減災対策に取り組み、市民の安全・安心な生活環境の確保に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
    観光商工部長(森永博昭君) (登壇) 防災・減災の取り組みについての3番目、観光危機管理の充実については、私から御答弁させていただきます。 我が国では、東日本大震災を経験し、観光分野においても、安全・安心を担保することは喫緊の課題であるという認識が広がっており、例えば、修学旅行先の選定に当たっては、訪問地の地域防災計画などを確認する学校が増加しております。 本市におきましては、佐世保市地域防災計画に、地理に不案内の観光客、また、言葉に不自由な外国人を災害時に特に配慮を要する者、いわゆる要配慮者と位置づけるとともに、環境対策計画の項におきまして、宿泊施設などにおける避難誘導、外国人観光客に対する情報提供、観光客の安否確認、応急食料などの供給を定めています。 また、各観光施設における防災訓練実施に加え、昨今、寄港が増加している大型クルーズ船の海難事故を想定し、佐世保海上保安部の御提案により、去る2月26日に佐世保警察署、中央消防署、市港湾部などの関係機関が連携した防災訓練が実施されました。 一方で、国は昨年9月に、全ての国務大臣を構成員とする観光戦略実行推進会議において、非常時の外国人旅行者の安全・安心確保のための緊急対策が取りまとめられました。 また、国土交通省九州運輸局では、訪日外国人旅行者の宿泊時における災害時初動マニュアルを策定し、公開されておりますが、その内容は、事前準備として、外国語の対応文例集を使用した伝達方法の確認や外国人旅行者への対応訓練を行うことなどが大事であるとされており、その時々に応じた対応策やマニュアルの作成などを求めております。 しかしながら、今年度、長崎県が実施した宿泊施設実態調査では、本市の調査対象となった宿泊施設179施設の中で、自然災害等対応マニュアルを作成しているものは13施設、その中で外国人対応の記載があるものは3施設にとどまっております。 この結果を踏まえ、まずは、外国人が宿泊する本市の主な宿泊施設と観光施設に対し、先ほど述べました九州運輸局作成の訪日外国人観光客向けの対応マニュアルを今後の体制整備の参考にしていただくために御案内をいたしたところでございます。 国際観光都市として、また、国内外から選ばれる観光地域づくりを目指す本市といたしましては、この観光危機管理の取り組みを観光関連事業者の皆様などとともに推進し、本市を訪れる外国人観光客の皆様に安全・安心な観光地として満足していただけるよう、観光地域づくりを引き続き進めてまいります。 以上です。 ◆20番(大塚克史君) (登壇) それぞれに御答弁をいただきました。 まず、再質問に入る前に、河川内の河道掘削・樹木伐採について申し上げたいと思います。今の答弁を聞きまして、市内の河川のうち、県が管理する河川につきましては、近年の集中豪雨を受けて、国が集中的に取り組む「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」により、国の交付金事業を活用し、ソフト・ハードの両面から対策が強化されるとのことであり、大変喜ばしいことと感じており、このことについてはぜひ着実に進めてほしいと思います。 一方で、市が管理する河川のほとんどが、河川法の適用を受けない普通河川とのことでありました。河川整備や維持管理に係る費用は、市の単独予算により実施されているとのことであります。 答弁にもありましたが、樹木伐採等の維持管理につきましては、これまで河川沿いに住む住民の方々の協力を得て実施されてきましたが、高齢化等に伴い、地元での対応が困難になってきている状況は、既に地域の声として耳にしているところであります。 私も、市内のいろいろなところを歩いて回るのですが、おそらく準用河川、または、普通河川と思われるところに人道橋がかかっておりまして、その橋を渡ったときに、川底に大きな石が詰まっておりました。水のせせらぎは聞こえるけれども、竹のような植物が生い茂り、川底が見えないと。その人道橋を渡った先に、避難所に指定されている公園があるといった箇所も市内にはあることから、今回の質問に取り上げさせていただきました。これまで7月豪雨を通じて、市内の二級河川等に対して、国や県などの支援で対策が進んでいくことは、大変喜ばしいことであり、やはり川はつながっていることから、ここについても、ぜひとも今後いろいろな工夫をしていただきたいと思います。 このような状況から、今後、地元町内会等から、河道掘削や樹木伐採の要望はますます増加の一途をたどるものと推測をされます。特に市が管理する河川は、住宅地や農地沿いを流れるところが多く、作業用の車両を横づけできる箇所も限られるなど作業条件が悪いことから、1カ所当たりの費用もかかるため、地元からの要望の増加に伴い、維持管理に係る費用も増大していくことは十分予測されます。 厳しい財政状況であることは一定理解をしておりますけれども、防災・減災の観点からも、災害が発生してからではなく、災害が発生する前の対策が重要であり、市民の方が安全に安心して生活できるように、河道掘削や樹木伐採に係る所要額の確保にぜひとも努めていただきたいと思います。 それでは、ため池の決壊防止策について再質問いたします。 答弁をいただきまして、佐世保市が県内で一番ため池が多いということ、また、今回の法整備の中で、新たに指定される重点ため池が220カ所、そして本市が整備可能となる所有者不明のため池が200カ所ということで、法制化されることによって、ため池の防災・減災対策が大きく進んでいくと期待をしているところです。しかし、これだけ数が多いと、どのような課題があるのか、また、それに対する具体的な対策をお示ししていただきたいと思います。 次に、観光危機管理の充実についての再質問であります。 外国人などの観光客が訪れる施設では、災害が発生した場合に、利用者に対して、日本人、外国人の区別なく、その安全を確保して適切に保護をしなければなりません。 先ほど部長から答弁がありましたように、本市の宿泊施設では、自然災害等対応マニュアルを策定している宿泊施設は、179施設のうちに13施設、さらにその中で外国人対応の記載があるものは3施設にとどまっているとのことでありました。 宿泊施設を初めとして、市内で観光に携わる方々が、地震などの突然の発生にも慌てることなく、外国人観光客に対して、避難誘導や情報提供などを行うことができる体制を築いておくことが必要でありますけれども、今回、部長が答弁されたのは、観光施設ということでありました。しかし、そのほかにも観光客の方々が行かれる場所は、たくさんあると思うのです。そういった多くの方が訪れる施設についても、先ほど数値を踏まえると、すごく気になります。この初動対応の体制の現状認識について、お伺いをしておきたいと思います。 ◎農林水産部長(浜田祝高君) (登壇) 法制化を踏まえ、ため池の具体的な防災・減災対策と課題についての再質問にお答えいたします。 先ほどお答えしましたように、防災重点ため池の再選定基準の見直しに伴い、まず、平成31年度に、220カ所のため池の浸水想定区域図を作成し、さらに平成32年度には、貯水量1,000トン未満の921カ所のため池の詳細調査と、その中で下流域に人家などが存在するため池の浸水想定区域図を作成する予定といたしております。 まず、防災・減災の観点から、全てのため池の状況把握と下流域に人家などが存在するため池につきましては浸水想定区域図を作成し、住民に提示するとともに、ため池の所有者や管理者に対しまして、ため池の保全や管理につきまして、適切な指導、助言を行っていきたいと考えております。 また、課題といたしましては、そのようなため池の保全、管理には、体制と多くの財源も必要になると思われますことから、国からの財政支援の動きなどを注視しながら、県と連携し、ため池に関する防災・減災対策を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎防災危機管理局長(佐々木謙一君) (登壇) 観光危機管理の充実についての再質問にお答えをいたします。 多数の人が集まる施設における火災や地震の発生時の初動対応については、消防法により、各施設の防火管理者や防災管理者のもと、個々に消防計画が作成されています。 この消防計画には、火災の予防対策、地震対策、消防用設備等の維持管理、年2回以上の消防訓練の実施、非常口や避難階段、避難通路の確保、避難施設の管理など、法律で記載内容が決められており、消防署への届け出も義務づけられております。 この消防計画に基づき、まず、施設の所有者や管理者が施設を運営管理する責任者として、必要な対応を行うことになります。 万一、集客施設等で災害が発生した場合には、佐世保市といたしましては、観光関係部局等により迅速な情報収集活動を行い、市長、副市長等へ報告をするとともに、佐世保市危機管理対応指針に基づき、災害の規模に応じた応急対応を行っていくことになっておりますが、先ほど観光商工部長の答弁にもありましたとおり、佐世保市では、各施設における個々のマニュアル等の作成も含めて、訪日外国人観光客に焦点を当てた具体的な災害時初動対応マニュアル等はほとんど整備できていない現状にあります。 このため、今後は、市内在住外国人も含めて、外国人に対する佐世保市からの災害情報の発信体制のあり方、並びに各施設における外国人への災害時初動対応の体制の構築に関して、関係部局と協議しながら連携し、対応していきたいと考えております。 以上でございます。 ◆20番(大塚克史君) (登壇) それぞれに答弁をいただきました。 特に観光に対する取り組みの中で、外国人に対する対応については、まだまだ進んでいないとのことでした。 佐世保市地域防災計画を本市でも国に準じてつくっております。この中の10章に、先ほど答弁にもありました要配慮者について、きちんと書いてあるのです。観光客に対してどうするのか、外国人観光客にはこうすべきであるということが既に書いてあるのです。ところが、現場である施設ではまだできていないと。当然、まだ策定して間もないということもあろうかと思うのですが、災害はいつ起こるかわからないということからすれば、ぜひとも関係施設には早急に声かけをいただきたいと思います。 では、再々質問に入ります。これはぜひ市長にお伺いをしておきたいと思うのですが、私は、命の安全保障という観点から、防災・減災という最重要のテーマは、政治や、社会の主軸に今から置いていかなければならないと考えております。そういった意味では、本市においても防災・減災という政策、施策をもう一段高いレベルまで引き上げたい、引き上げなければならないと考えております。 そういった意味では、この防災・減災、また、災害に対応する各部局によりまして、さまざまな対応があると思うのですが、それを統括している防災危機管理局におきましては、現在8名体制で業務を行っています。実際にこれが本当に適正なのか。単純に人員をふやしてほしいということではなく、市全体としても、今、職員数の管理でいろいろと汗をかいていただいております。そういったことも十分に理解をした上で、防災危機管理局の人員配置に対しての市長の御認識をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) 大塚議員の防災・減災の取り組みについてということの中で、防災危機管理局の職員の8名体制は適性なのかという再々質問がございました。 組織・機構につきましては、その時点では最善ということで見直しを行っておりますが、時間の経過により、有効性、妥当性が変化するという課題は常に存在しております。そのようなことでございますので、防災危機管理の分野においても、特に気象環境の劇的な変化が見られるようになっております。そのようなことで、組織・機構につきましては、その時代、その時々に合わせて、さらに強化をしていくというようなことが必要ではないかと認識をしているところでございます。 特に近年、多くの人命が失われるという大規模な自然災害が全国各地で発生し、自助・共助の必要性がますます高まってきております。佐世保市においても例外ではなく、事前の備えは欠かすことができないものであります。 そのような中、自助力、共助力を高めていくためには、まず地元に対して自主防災組織の結成を強く働きかけるとともに、防災訓練などの具体的な活動支援を行い、組織の活動を促すことが必要であろうかと思っております。 また、国民保護の事象発生に備える必要性も認識しておかなければいけないと思っております。 これらのことを踏まえ、災害現場の経験、訓練教官としての経験を有し、地域防災マネジャーの資格を有する退職自衛官を主幹として採用し、平成29年4月1日から7名体制を8名体制といたしましたが、まさに何が求められているかという課題に対応した組織の強化であったものと考えております。 あわせて、部局間の機動的な応援体制を整えることも、昨年7月の豪雨対応で明らかになった課題であり、今後とも状況変化等を注視した上で、議員の御意見も十分参考とさせていただきながら、防災危機管理の使命を果たすためにどうあるべきか、総合的な見地から最適な組織・機構の構築について、十分意を用いて対処してまいりたいと思っております。 昨年7月の豪雨のときに私も感じたのですが、豪雨による災害時の対応に関して、当然8名ではどうしようもないわけでございますので、そのときの応援体制、支援体制をしっかりつくっておく必要があるのではないかと思っております。 それは部局間の連携ということも当然でございますが、今、我々は消防団に職員を入団させて研修をさせているところでございます。災害時には、消防団の研修を受けた経験のある(終了ブザー)職員をできる限り優先的に声をかけられるような、メーリングサービスなどを行い、招集ができる体制も考えていかなければいけないのではないかと思っているところでございます。議員の御指摘については、承りたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(市岡博道君)  暫時休憩をいたします。     午前11時47分 休憩     午後1時30分 再開 ○副議長(大塚克史君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。21番小野原茂議員。 ◆21番(小野原茂君) (登壇) 市民クラブの小野原茂です。通告に従い順次質問いたします。 まず、大項目のものづくり人材の確保と育成についての小項目の一つ目の製造業を取り巻く環境の変化と市内製造業における工業系高校の採用状況についてと、二つ目のものづくり人材の育成についての2点について質問いたします。 今、米国との貿易摩擦を抱える中国景気の減速の影響もあり、日本経済は輸出が伸び悩むなど、景気の先行きに暗雲が垂れ込めている状況であります。しかも、ことしの秋には消費税10%の増税も予定されており、予断を許さない状況でもあります。 そのような中、造船業界では、これまで不況が続いてきた状況からようやく回復の兆しが見えてきたところであります。しかしながら、受注環境を見ると、競争相手国である韓国、中国では、造船業への公的支援を実施されていることから、受注競争は日本にとって大変厳しい現状であります。 さらに、労働環境を見ると、これまで造船界を牽引してきた団塊の世代が既に退職され、団塊の世代を中心とした長年のキャリアを持つ熟練技術者から若年層にその技術を伝承されないことが、現在、必要とされるものづくり人材の確保ができない大きな原因ではないかと思われます。 今、企業は、高操業を続ける中において即戦力となる人材を欲しています。国内のものづくり産業の企業が、若年層のものづくり人材をいかに確保し、育成しようとしているのか。そして、このような面でどのような課題を抱えているのかということですが、即戦力が欲しくても、技術習得した若年層がいない局面を迎えております。 熟練技術者の退職に伴う労働力不足に備えるため、企業は即戦力となる中核人材を採用しています。しかし、中核人材の採用は即戦力としてありがたいものの、その一方で、企業において長年かけて受け継がれてきたものづくり精神を身につけた人材をいかに育てるか、つまり熟練技術者から教育を受けた若者がいかにたくさんいるかが企業発展に向けた大きな課題だと思います。本来なら、団塊の世代が去る前に、その技術者たちを温存し、若年層の教育に力を注いでおく必要があったかと思いますが、そうしてこなかった企業の責任ではないかと思うのです。 私もボイラー一筋40年、ものづくりの道を歩んできましたが、当初の10年間が修業期間であり、養成所で専門性を学んできたにもかかわらず、当時7,000人ほどいた従業員の中では序列が厳しく、石の上にも三年ではなく、面壁九年、じっと下積みをしながら、3K作業であるグラインダーをかけながら、チャンスが来るのを待ち続けた思い出があります。 その当時、長年の経験と実績を積まねば一人前のものづくり職人とは言えず、しかし、その一方では、そういう悠長なことは言っていられない多忙な現場なので、よき指導者の配慮で仕事一つできない若者がいきなり仕事を与えられたことにより、死に物狂いで、なりふり構わず、失敗を重ねながらも仕事を繰り返し、一人前になっていく。それは、昔の徒弟制度ではなく、失敗してもやり直しをさせてくれるチームリーダーがいたからこそ若い技能者が育っていった。そこにものづくりの原点があるように感じられてなりません。 しかし、今、熟練技術者が去って、労働力不足が喫緊の課題となっている以上、企業側だけに求めるのではなく、行政や地域の大学や高校、そしてポリテクセンターや県、市、工業会等の力も活用しながら、ものづくり産業の発展につなげていかねばならないのではないかと思います。 また、ここ最近、全国の状況を見てもわかるとおり、ものづくり現場や建設工事現場において、若年者の死亡災害を含めた事故が数多く発生しております。心が痛む思いであります。 災害ゼロは家族の願いであり、職場では安全第一が最優先であります。そのためには、職場での技術講習とあわせ、安全教育がしっかり行わなければなりませんが、現場になれない若年者にとっては、未知の世界とも言える作業現場で就業を余儀なくされると言っても過言ではありません。特に中小企業においては、その余力がなく、安全教育どころか技能講習すらできない状況にあるのではないかと思うのであります。 今回、そういった安全面についての質問も取り上げてみたいと思っております。 私は、平成26年9月定例会において、佐世保市における職業教育と就労支援をテーマに一般質問をさせていただきました。当時、造船業界を取り巻く環境が厳しさを増す中、佐世保重工も生き残りをかけて、名村造船所の関連グループとして再出発を果たす時期でもありました。 こうした中、海軍工廠時代から培われたすぐれた技術を若い世代の人たちにつなげるためには、早い時期からのものづくり教育、職業教育を行うことの必要性と、ものづくり分野に従事する若い世代に向けた就労支援のあり方について、朝長市長初め、市当局の考えについてお尋ねいたしました。 近年、少子高齢化の進行により、人材不足が深刻になっており、新規卒業する高校生や大学生の採用が大変厳しい状況にあると聞き及んでいます。 前回の質問から、佐世保市製造業の取り巻く環境がどのようには変化してきたのか。ものづくり人材の確保と育成について、どのように取り組まれているのか、お尋ねいたします。 それでは、まず、小項目の一つ目に上げております製造業を取り巻く環境の変化と市内造船業における工業系高校の採用状況についてですが、まず、佐世保市の製造業を取り巻く環境の変化について、どのように評価していますか。特に、近年の造船業界はどのような状況かお尋ねいたします。 次に、人材不足が深刻と思われる環境の中で、市内造船業における新規学卒者の採用状況はどうなっていますか。また、造船業を含め、製造業における採用に向け、どのような取り組みが行われているかお尋ねします。 次に、企業においても人材確保については相当苦労されていますが、それでも人材不足の様相は変わらない状況にあると懸念されます。市として、市の重要産業である造船業やその関連産業に若い世代の人たちの就職機会を増すためにどのようなことを検討されているのかお尋ねいたします。 続きまして、小項目の二つ目、ものづくり人材の育成についてでありますが、人材確保が滞ると技能継承の機会が失われ、企業の保有するすぐれた技術が喪失することが懸念され、廃業や人口流出につながりかねません。若手技術者向けの育成についてはどのように取り組んでおられるのかお尋ねいたします。 また、若年技術者の育成については、技能向上に向けた取り組みとあわせ、安全教育についても徹底する必要があると考えます。若年技術者は技能については理解できても、経験不足のため、熟練技術者よりも労働災害につながる危険性が高いのではないかと懸念しています。 そこで、近年の労働災害の発生状況や労働安全の取り組みの現状と今後について、お尋ねいたします。 これで1回目の質問を終わります。 ◎観光商工部長(森永博昭君) (登壇) ものづくり人材の確保と育成についての質問の中で、まず、本市経済を取り巻く環境変化につきましては、国の経済センサス活動調査によりますと、平成28年度の中小企業の事業所数は1万769社、従業員数は9万6,038名であり、平成23年度の調査と比較しますと、事業所数は3%、313社、従業員数は1.4%、1,384名の減少となっております。そのうち、製造業では、平成28年度の事業所数は574社、従業員数は9,233名であり、平成23年度の調査と比較いたしますと、事業所数は3.5%、21社、従業員数は6.5%、598名の減少となっております。 このように、製造業の事業所数、従業員数ともに減少率が高くなっており、ものづくりに携わる人の数が減少している状況でございます。 一方、有効求人倍率は平成26年度以降、1倍を超えている状況が続き、平成29年度には1.51倍となり、とりわけ製造業につきましては、平成30年11月には2.28倍となっており、高い水準で推移いたしております。造船業を含め、市内製造業関係者からは、現在の状況について、高操業は維持しているものの、人手不足により受注機会を逸している状況にあるともお聞きいたしております。 今後、日本の生産年齢人口の大幅な減少が見込まれる中、技術・技能人材の確保が一層の厳しさを増している状況にあります。 次に、本市の製造品出荷額の推移を見ますと、平成25年度以降、1,600億円台で推移しておりましたが、平成28年度に自動車関連企業の立地により約1,848億円と増加したものの、造船業に関しましては、中国、韓国との厳しい価格競争に直面していることもあり、出荷額が伸び悩んでいる状況でございます。 このような状況においても佐世保重工業におかれましては、これまでの受注の主力であった中型ばら積み船に加え、中型タンカーの建造も手がけるなど、海外からの受注拡大に向けた転換を図られているところでありますが、事業推進に当たっては熟練技術者や高度な技術を若手に指導できる中堅人材の確保が重要な要素となっております。 また、これからはITの導入や生産設備の更新による生産の効率化に取り組み、人手不足を補完していくことが必要となりますが、本市の造船業では敷地などの制約もあり、生産工程の自動化や生産ラインの効率化は難しい側面もあり、人材確保は喫緊の課題となっております。 次に、市内造船業の採用状況についてでありますが、市内の主要な造船企業3社に、市内の高校と大学から、この春、採用予定の新規学卒者の数について確認いたしましたところ、高卒予定者、大卒予定者合計45人の採用計画に対し、内定者は38人にとどまっており、本市の主要企業であっても新卒者の採用が厳しい状況にあります。 このような採用難が続く中、造船業を初め、製造業における採用に向けた取り組みにつきましては、個々の企業における採用活動だけではなく、地元製造業を中心に組織されました佐世保工業会において本市が支援を行い、人材確保に向けた事業を実施されています。 その事業内容といたしましては、市内の工業系高校、高専、県立大などの学生や保護者を対象にした企業説明会の開催や製造現場見学会に送迎サービスを取り入れるなど、企業と学生の接点をふやすための取り組みを定期的に実施されています。企業単独では実施が難しい採用活動も、佐世保工業会の事業に参加することで、人材確保の機会を得ることが可能となり、また、採用に結びついた実績もあり、徐々にではありますが一定の成果が上がっております。 次に、若い世代の市内就職促進に向けた取り組みについてでありますが、市内企業において人材確保が厳しくなっている背景の一つとして、企業が求人を行う際に、賃金だけではなく、働きがいや自分が入社後、どれくらいの期間でどのような役職につけるかなどのキャリアパスが十分に示されないことや、インターンシップが十分には活用されていないことが挙げられます。学生にとってインターンシップの活用は、希望する企業の仕事を体験することができ、就職のミスマッチ軽減に役立ち、企業にとりましても就職活動が本格化する前から学生との接点づくりや会社のPRにつながるという利点があり、インターンシップは企業の魅力を伝える重要な機会となってくるものと考えます。 そこで、本市企業の人手不足の支援として採用力強化事業を実施しており、今年度は4社を対象として、人材採用コンサルタントにより、各企業に必要とされる人材の明確化など、ノウハウの蓄積にとどまらない採用に関する基礎力の向上を図っています。 また、この事業で得られた成果を市内企業で広く共有し、より多くの企業の採用力強化につなげていきたいと考えております。 また、採用力向上のためには、特にインターンシップの活用は不可欠であり、今後の採用力強化事業につきましては、このような状況を踏まえ、企業の魅力が伝わり、採用につながるようなインターンシップの実施に向けた展開を予定しているところでございます。 一方、造船業における取り組みといたしましては、早い時期から地場産業である造船への関心を高め、知識や技術を習得できる環境が身近にあることが重要であると認識いたしております。 現在、市内の高校などには造船に特化したコースがなく、即戦力となる若者が育ちにくい環境にあるため、本市では、平成28年度から、県に対しまして、市内の高等学校に地域のニーズに即した県北地域の造船業を担う人材育成のため、造船コースの設置など、学科の再編を要望してまいりました。 国内の造船業界は、2016年に入り、新造船受注は低迷している状況でございますが、国土交通省海事局の報告によりますと、中長期的には海上荷動量の増加と既存船舶の廃船により、新造船需要は回復すると見込まれています。世界的な需要の伸びを考えれば、造船業は他の産業と比較しても成長産業と捉えるべき産業であり、国においては中国や韓国との受注獲得競争に性能、コスト、総合力で打ち勝ち、2015年時点での世界建造量のシェア27%を、2025年に30%に上昇させるという海事産業の生産性革命に向けた取り組みを進められております。 このような流れの中、地元に造船コースを整備して地域の若者を育成し、市の主要産業を支える即戦力として確保できる流れをつくることを目指して、次年度以降も引き続き県への要望を行っていきたいと考えております。 いずれにいたしましても、今後の造船需要の伸びを好機と捉え、必要な造船人材を確保できるよう取り組んでまいります。 次に、ものづくり人材の育成につきましては、佐世保工業会において、若手技術者の育成のため、会員企業各社に共通するスキルアップを目的に、ポリテクセンター佐世保と連携して、さまざまな技能実習を実施されています。参加者や企業からは、OJTだけでは実施が難しい技能研修や幅広い知識の習得などができ、結果として企業の生産性向上につながるとの声が寄せられており、企業のニーズを捉えた育成事業となっているものと考えます。 また、技能継承や技術力の高度化のように企業単位で実施する研修につきましては、本市において、平成28年度から、製造業企業がOJT研修を行う場合に、経費の一部を補助する制度を設けています。 しかしながら、高操業や人手不足の状況に加え、研修を依頼できる講師に関する情報不足などの理由から、この制度が活用された実績はございません。 このような中、平成29年3月に、県内の産業界、大学、行政で構成する長崎県産業人材育成産学官コンソーシアムに本市も参画し、効果的な産業人材育成、県内企業への就職・定着を促進、支援するための長崎県産業人材育成戦略を策定し、この戦略に基づき、機械・金属製造業の人材育成推進に向けた取り組みを実施しています。 また、今年度、同戦略に基づく新たな取り組みとして、県内企業によるオーダーメード型研修を支援するため、品質・生産管理や業務改善など、専門家をリスト化した「たのめる講師リスト」を作成し、企業の幅広いニーズに応じた社内研修の開催が可能となる仕組みを構築いたしました。本市といたしましては、さきに述べた企業のOJT研修に対する支援を行うことで、研修の積極的な開催を促進していきます。 次に、労働災害の発生状況につきましては、長崎労働局発表の資料によりますと、佐世保管内では、平成28年から平成30年まで毎年260件から280件の死傷災害が発生し、平成29年、平成30年には死亡事故が1件ずつ出ております。製造業では、3カ年とも製造業、食料品製造業がいずれも高い比率を占めておりますので、産学官連携促進の中で5Sの実践研修や安全衛生責任者の研修などを実施しているところでございます。 以上でございます。 ◆21番(小野原茂君) (登壇) 御答弁ありがとうございました。 では、再質問に入ります。 本市経済を取り巻く環境の変化につきましては、今、御説明がありましたように、市内中小企業の事業所数、従業員数ともに平成23年からすれば年々減少傾向にあり、平成28年には、ものづくりに携わる人の数が大幅に減少していることがよくわかりました。 また、一方で、有効求人倍率は平成26年度以降、1倍を超えてからは年々増加傾向となり、特に製造業に関しては、平成30年11月には約2.28倍の高水準で推移していることもわかりました。 このような状況の中、現在、造船業を含め、市内製造業関係者の有効求人倍率が高水準で推移しているものの、人手不足により受注機会を逸していることをお聞きすれば、なおさら市内におけるものづくり人材の確保は喫緊の課題と受けとめているところでございます。 今後は、仕事があっても仕事をする人がいないとなれば、労働者不足による企業の倒産も考えられます。これまでも造船産業は好景気が続くかと思えば、中国や韓国の台頭により、低い船価での受注を余儀なくされるなど、厳しい現状での戦いがある限り、春闘における賃上げ要求にも影響がないとは言えません。 そんな労働条件の厳しい中での受注競争に勝つためには、高い品質の製品づくりが要求されるのは当たり前であり、中堅人材の確保、そして、ITの導入や効率のよい造船ヤードの確保などの改善を図ることで、難局を乗り切っていかねばならないという厳しい環境ではないかと心配するところであります。 また、市内造船業における採用状況と新卒者の採用が厳しい状況とのことでありますが、佐世保市が支援する佐世保工業会では、人材確保に向けた取り組みが行われているところであり、この対象から外れた中小企業にも光を当てることができないのかとの声も聞いております。 今後も、造船所を主体とした市内のものづくり産業においては、恵まれたことに海がある以上、船がなくなることはありません。しかし、米軍の艦船修理や自衛艦のエンジン部分の修理など、技術者からの技能継承ができないと、佐世保市の大きな痛手となるため、早急な対策が喫緊の課題であります。 こういう現状の中、市内造船業における新規学卒者の内定者も採用枠よりも少なく、ものづくりに進む若者の人材の確保は大変厳しい状況であることもよくわかりました。 しかし、今回の一般質問に際して、市内の某企業を訪問し、ものづくり産業の現状をお聞きしたところ、ことしは市内から5名を採用されたそうです。その内訳としては、市内工業系高校のほか、私立高校2校からの採用もあり、その採用に当たっては、高校の熱心な担当の先生と佐世保工業会との連携により、若者の人材確保につながったとのことでした。このことは、佐世保工業会や市内高校との幅広い交流が盛んに行われている成果であるとの明るい話題として報告されました。 また、この企業において、業務体制の若返りを果たし、熟練技術者が若い世代のサポート役を担うという体制にも取り組んでおられているとのことでした。加えて、今後とも、ものづくり人材の確保と育成のために、産学官や地元銀行とも連携して、佐世保市工業界の発展と各企業の充実に取り組んでいくとのことでありました。 では、最後に、市長にお尋ねいたします。 市内製造業の中には、団塊世代で高い技術を持ったまま他社を退職した熟練技術者を再雇用し、若手に技術指導を行わせることで、人材の育成と生産性の向上を両立させている企業があります。このように、退職した熟練技術者の活用による若手技術者の育成は、本市のものづくり技術を存続させる上で大変有効と考えますが、市長の御所見をお尋ねし、私の質問を終わらせていただきます。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) 小野原議員のものづくり人材の育成について答弁をさせていただきます。 製造業における人材確保・育成の課題は企業だけの課題にとどまらず、地元産業の存続、発展、ひいては地域経済の活性化にかかわる重要問題であることは十分認識をいたしております。とりわけ製造業は新卒者を確保できても基礎的な技能を習得するまで一定期間を要し、さらに高度な熟練技能を習得するには長い年月がかかります。団塊世代の大量退職等で基盤技術を担う人材の量的、質的不足が生じている中で、生産性の向上と若手人材の育成を図りたい企業において、人材育成の効率化が重要となります。 製造業においては、シニア・OB人材の活用はほかの業種よりも比較的多いと考えますが、その目的を熟練技術の活用、人手不足対策としてだけではなく、若手技術者の技能指導としても活用することで円滑な若手の育成と技術継承が期待できますことから、市内企業における人材育成のすぐれた事例については、行政と企業で広く情報を共有していくことが望ましいと考えます。 今回、御質問いただきましたものづくり人材の確保・育成は、地域経済を牽引する製造業の維持・発展にかかわる重要なテーマですので、地元企業や関係機関との連携をさらに強化しながら課題の解決に取り組んでまいりたいと思っております。 佐世保工業会の話もございましたが、非常に熱心に活動されております。佐世保工業会に中小企業で加入できないということはないと思います。ぜひ加入していただきまして、その団体を通じて(終了ブザー)人材の確保・育成ができるようにすることができるのではないかと思いますので、ぜひ中小企業の皆様におかれましても御加入をいただいて、佐世保工業会として一つにまとまっていただくことがよろしいのではないかと思っております。 以上でございます。 ○副議長(大塚克史君)  12番古家勉議員。 ◆12番(古家勉君) (登壇) それでは、通告に従いまして順次質問させていただきます。 本市は、西海国立公園に指定され、世界で最も美しい湾クラブにも加盟をいたしました。九十九島の美しき自然、朝夕、たくさんの野鳥が飛来する本市では数少ない干潟のある早岐瀬戸、海に囲まれた宇久島の豊かな景色、県北最高峰の776メートルを誇る国見山や烏帽子岳、将冠岳を初めとする美しい山並み、県下第2位の長さ、流域面積を持つ佐々川の源流や在来種が多く生息しています小森川など、海、山、川の多様な自然環境が広がっております。 その自然環境の中には、市の花として親しまれていますカノコユリ、そして、生きた化石といわれるカブトガニなど、全国的にも希少な野生生物が生息・生育しており、その種類の多さは枚挙にいとまないほどでございます。 このように、世界にも誇ることができる豊かな自然は、長年の自然の営みと先人の努力によって現在に受け継がれています。 今回は、そのような視点で、自然環境保全の取り組みと啓発について質問をさせていただきます。 最初に、市内の野生生物の保全対策の取り組みについてお尋ねをいたします。 自然破壊の原因は幾つか考えられますが、直接的なものとしては、開発による影響です。市内でも、公共、民間を問わず、多くの都市開発が行われております。そのことによって、我々は利便性や快適性を享受できるわけです。 しかし、山を削ったり、海を埋め立てるという行為は、確実に野生生物のすみかを奪っているわけでございます。長年の営みによって保たれてきたバランスが崩れると、その場所だけではなく、広範囲に影響を与える可能性があります。 また、里地里山と呼ばれる農林水産業と共存してきた自然環境についても、高齢化や人口減少などによって管理ができなくなって、荒れ地になってしまうということもあるかと思います。 さらに、間接的なものとしては、地球温暖化も考えられます。環境省や気象庁の報告によりますと、地球温暖化が進むことで平均気温の上昇や異常気象の頻発といった気象変動に対応できず、局地的に、または地球規模で多くの動植物の絶滅のリスクが高まるという予測をされております。 我が国においても、気温、海水面の上昇によるさまざまな動植物の生息・生育環境の変化のほか、春から夏にかけて桜などの開花が年々早くなるなどの傾向が見られます。しかし、アジサイの開花、秋のイチョウやカエデの紅葉と落葉はおそくなってきているなど、自然のサイクルに変化が生じる、または、既に生じているとされております。 佐世保周辺におきましても、海水温の上昇によって、沖縄などの南方にしか生息しなかった海洋植物の生息範囲が九十九島周辺などにも広がってきつつあるということで、従来の生態系への影響が懸念されております。 このような幾つかの原因が多層的にまじり合って自然環境が破壊され、野生生物が減少しているのではないかと考えられます。 これらの原因への対策を初めとして、市内の自然環境の実態を把握し、具体的な環境保全対策を推進していく必要があるのではないかと思われますが、市とされてはどのような考え方で取り組みを進められているか、お尋ねいたします。 次に、市民の理解や啓発促進のための取り組みについて質問します。 野生生物のみならず、自然環境の保全に当たっては、私たち人間も生き物でありまして、ほかの多くの動植物とつながり、支えられて生きております。動植物のさまざまな恵みを受けて初めて、私たちは日々の暮らしを送ることができるということを市民の皆さんに知って理解してもらうこと、そして自然環境の保全へ協力してもらうことが不可欠であると感じております。 私自身、県内では佐世保市のみで生息が確認され、全国的に減少している絶滅危惧種の保全活動にも携わらせていただいておりますが、そこでは長年、行政、地域の団体、地域の子どもたちやその保護者の方たちが連携しながら希少種を守っています。その中心となって熱心に活動されている方々の御尽力につきましては、頭が下がる思いでございます。 このような方々や地域をふやしていくことは、自然環境の保全ということだけではなく、地域の方や子どもたちの地域を愛する心を育むことにつながる大変重要な取り組みではないかと思います。 そのためには、自分たちの住んでいる地域の身近な自然に触れて、自然環境の希少性や重要性に気づく機会を創出していくことが必要となってきます。やはり我々素人が自然を探索するだけでは、目の前の自然がどれだけ貴重なものであるか、なかなか理解しづらいところがあり、専門的な目線で考えていただくことが必要だと思います。 そこで、佐世保市では、市民に地域の自然環境の希少性や重要性に気づいてもらうための啓発促進について、どのような取り組みを行われているのか、お尋ねをいたします。 次に、きのうも質問がありましたように、国際クルーズ拠点形成に向けた取り組みについて質問させていただきます。 この国際クルーズ拠点形成については、先般、来年度の施政方針にもありましたように、地方創生を牽引するため、次期第7次佐世保市総合計画において次世代を構築する柱となるリーディングプロジェクトとして、クルーズ船入港体制整備も掲げられており、これまでも重点的な資源投入が行われてきております。 昨年7月には三浦岸壁の延伸工事が完了し、16万トン級クルーズ船の受け入れを開始されました。アジアのクルーズ市場の発展もあり、平成25年にわずか1回であった佐世保港へのクルーズ船の寄港回数は、平成30年は全国8位の108回を記録するまでに成長を遂げております。 こうした中で、市におかれましては、引き続き拡大を見せる旺盛なアジアのクルーズ需要を大きなチャンスと捉え、その活力を本市に呼び込もうとクルーズ船入港体制整備をリーディングプロジェクトの一つに捉えようとされたものと理解しております。 さて、この質問については、昨年9月定例会において取り上げまして、浦頭地区における港湾整備の進捗状況、供用開始後における周辺交通への影響と対策などについてお尋ねをさせていただきました。 改めて、市で行われております国際クルーズ拠点形成に向けた取り組みについて簡単に触れさせていただきますと、平成29年7月に国際旅客船拠点形成港湾に指定された佐世保港では、現在、浦頭地区において、大型クルーズ船が寄港可能となる新たな拠点整備、港湾整備が進められております。この整備につきましては、国土交通省、クルーズ船会社カーニバルコーポレーション、そして港湾管理者の佐世保市が平成32年4月から供用開始を目指し、お互いに連携しながら進められていることでございました。 既に平成31年3月になりましたので、現時点での供用開始時期は、あと1年ほどに迫っております。つまり、この期間でこうした整備を完了しなければならない状況となっているということであります。 このような中、先日の都市整備委員会において、港湾建設費にかかわる繰越明許費補正の審査が行われ、工期の進捗管理について質疑がなされております。その場では当局から、「非常にタイトなスケジュールとなるが、船会社側と連携を密にして工期の進捗管理に意を用いて取り組んでいきたい」との答弁があっております。私としましても、ぜひそのように取り組んでいただきたいと考えております。 港湾整備の進捗状況につきましては、先般の一般質問から約半年が経過しておりまして、昨年末には、国土交通省が行っている岸壁工事の見学会が開催されるなど、日々刻々と変化しているものと推測いたしておりますが、カーニバルコーポレーションが整備する旅客ターミナルビルについて、その全容がまだはっきりと見えてきていない気もしております。そこで、各整備主体における港湾整備の進捗状況についてお尋ねをしたいと思います。 また、供用開始された際には、クルーズ船で佐世保港に上陸した乗船客が、佐世保市でだけではなく、周辺市町へも寄港地観光に向かうと予想されます。つまり、佐世保港が海外からのクルーズ船寄港による活力を広域に展開するゲートウエイとなることで、佐世保港または佐世保市の知名度のより一層の向上に寄与すると期待しております。 私も、これによりまして、地域経済の活性化も見込まれると考えておりますし、また、広域連携という観点から見ても、この事業は大変意義のあるものと思っております。 一方、供用開始後において、三浦地区と同様、16万トン級のクルーズ船の寄港が可能となると伺っておりますが、このような大型クルーズ船が浦頭地区に寄港した際、その周辺において、乗船客が寄港地観光へ移動手段として利用する大型バスの往来が多くなり、特に幹線道路である国道202号が混雑する、または渋滞するといった懸念があることは先般もお示ししたところでございます。 市とされても、長崎県が行われた交通シミュレーションをもとに同様の認識をされているということでございました。長崎県におかれましても、既にその対策に着手されており、昨年3月から国道202号の浦頭交差点から西海パールライン入口交差点の約2キロメートル区間の4車線化拡幅工事に着手されております。中でも、浦頭交差点周辺には大型バスが集中することが明白であり、その影響が大きいことから対策が急務と捉えており、優先的に事業が進められているとのことでございました。 先ほど述べましたように、浦頭地区の港湾整備はあと1年ほどで完成しなければなりませんが、こうした浦頭交差点周辺での交通対策についても供用開始までに完成し、日常生活に影響を及ぼさないような状況となるのかといった関心を寄せられている地元の方々の御理解を得ることが肝要であると考えております。 昨年9月定例会の一般質問の折に、浦頭地区供用開始後における周辺交通対策として国道202号、国道205号のほか、生活道路として佐世保市市道の整備も進められているとの答弁がございました。今回は特に地元への対策状況を含め、国道202号の4車線化拡幅工事の詳細な進捗状況についてお尋ねをしたいと思います。 1回目の質問を終わります。 ◎環境部長(井元保雅君) (登壇) 1項目めの希少野生生物の保全と啓発についてお答えをいたします。 本市における自然環境の豊かさにつきましては、議員御紹介のとおり、九十九島を初めとした海、山、川の多様な自然環境と温暖な気候の中で豊かな生態系が形成されており、多くの野生動植物が生息しております。 本市では、このかけがえのない豊かな自然環境を守るため、平成9年3月に佐世保市環境基本計画を策定いたしました。以来、変わり行く環境課題に対応するため、改訂を重ね、昨年3月に、今後10年にわたる本市環境行政の基盤となる新たな佐世保市環境基本計画を策定しております。 本計画では、望ましい環境像として、「自然と共に生きるまちさせぼ」を掲げ、その実現に向けて6分野ごとに基本目標を設定しております。 その中の一つであります自然環境の保全におきましては、「多様な自然を守り伝えるまち」を目標とし、「自然環境の骨格をなす海、山、川、里山を保全する」、「生物の多様性を保全する」といった取り組みの方向性を定めて、自然環境の保全のためのさまざまな施策を行っているところであります。 さて、議員お尋ねの野生生物の保全対策の取り組みにつきましては、まずは、市内自然環境の実態把握のため、自然環境調査やそれらに基づいた評価として、絶滅の危険度をランクづけしたレッドリストや希少種個別の現状について記載したレッドデータブックを本市独自で作成しております。 県内では、市レベルでは長崎市と本市のみが作成しているところですが、平成14年に初めて作成し、その後、合併地区の状況を追加しつつ、平成25年には全面的な改訂を行いました。 その結果、レッドリストへ選定した種の数は当初554種でありましたが、改訂により、現在863種を掲載しているところでございまして、そのうち、特に、絶滅危惧1A類と言われる絶滅の危険性が高いものとして209種を選定しております。これら希少野生生物が多く生息・生育する場所や生物多様性が特に豊かな場所などを「保全することが望ましい地域」として抽出し、市内で38カ所を選定の上、ホームページなどで公表をしているところでございます。 本市のレッドリストは、大学等の学識経験者だけでなく、市内で自然保護活動されている市民団体の協力のもとに作成したという特徴を持っておりまして、市民との連携という面でも大変重要な成果であると考えております。 環境省におきましても、九十九島や早岐瀬戸などを「生物多様性の観点から重要度が高い海域」に指定した際の基礎資料とされるなど、広く活用されております。さらに、希少野生生物の分布地図である佐世保市レッドマップを作成し、地図情報システムGISにより、市の関係部署で共有の上、公共工事実施前に確認を行うなど、開発工事などによる希少野生生物の生息・生育環境の消失防止に活用しているところでございます。 実際に、レッドマップを活用している事例といたしまして、佐世保相浦工業団地造成工事において、工事を所管する企業立地推進局がレッドマップを確認し、予定地の良好な自然環境を移植するため、工業団地周辺でビオトープの整備を進められております。 民間の開発などにおきましても、環境影響評価や開発事前審査などの手続に際して、市においてレッドマップの確認を行い、必要な配慮をお願いするなど、野生生物の保全に活用しております。 なお、議員から御紹介のありました地域での保全活動につきましても、市としてもイベントの開催や個体数の調査、生息環境の維持、改善の取り組みなど、地域の方々と協力して推進しております。 続きまして、2点目のお尋ねであります市民の理解促進のための取り組みにつきまして、本市では、自然と触れ合う機会を設け、自然を大切にし、共存する意識を高めることを目的としまして自然観察会を開催しております。 今年度につきましては、海、山、川、それぞれ佐世保市を代表する地点で開催しておりまして、3回、延べ54名の方に参加していただいております。中には、定員を超える応募をいただき、抽せんさせていただいている観察会もございますし、参加いただいた方のアンケートでは、「珍しい動植物が多いことに驚いた」、「自然を大切にしたいと思った」などの肯定的な御意見をいただいているところでありますので、今後もさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。 このほかにも、自然を愛する心を育むためには幼少期から親しんでいただくことが重要でありますことから、幼児向けに遊びの中で自然や動物のことを知ってもらうためのイベントを開催しておりますし、小学校での総合的な学習の時間を活用して、地域の川の生物調査などの環境教育にも取り組んでいるところです。 また、生物多様性の概念、意義、危機及び保全のための行動について説明し、さらに、特定外来生物や希少な野生生物種、本市の啓発活動などを紹介するパンフレットを作成し、イベントや環境教育で活用するなど、できるだけ多くの市民の皆様に自然環境や野生生物について考えてもらう機会を設けるよう努めているところでございます。 そのほか、市民の皆様からいただいた蛍の目撃情報をもとに、生息状況をさせぼ街ナビで公表しておりますホタルマップでは、毎年市内110カ所程度の情報が寄せられておりまして、この情報をもとに蛍の観賞に出かけられるなど、身近な自然について意識を持っていただくきっかけづくりになっているのではないかと考えております。 以上でございます。 ◎港湾部長(神崎良平君) (登壇) 2項目めの国際クルーズ拠点形成に向けた取り組みについてのうち、浦頭地区における港湾整備の進捗状況について、私からお答えさせていただきます。 この港湾整備につきましては、議員御案内のように、平成32年4月からの供用開始を目標に、整備主体となる国土交通省、カーニバルコーポレーション、佐世保市が連携しながら事業進捗を図っているところでございます。 各整備主体の進捗状況についてでございますが、まず、国土交通省におかれましては、平成29年度から水深10メートル、延長370メートルの岸壁整備、また、水深10メートル、面積約9ヘクタールの泊地浚渫に着手していただいております。 岸壁につきましては、陸側から延長270メートルのジャケット式桟橋区間と100メートルのドルフィン区間で構成され、その構造が異なったものとなっております。 ジャケット式桟橋は、現在、クルーズ船の受け入れを行っている三浦岸壁と同様の構造で、昨年12月21日には、ジャケット据えつけの現場見学会が行われ、議員の皆様方にもその状況をごらんいただいたところでございます。 今回は、このジャケットを6基据えつける予定であり、現在、4基の据えつけが完了しております。残りの2基につきましては、ことし5月に据えつける予定と聞き及んでおります。 また、ドルフィンにつきましては、海上に基礎くいを設置し、その上部に船舶の係船索をかける係船柱を設置する構造で、これを5基設置する計画となっております。これにつきましては、来年度、着工予定と聞き及んでおります。 泊地の浚渫につきましては、昨年10月から現地工事に着手されており、今年度中にはおおむね完了する予定と伺っております。 次に、カーニバルコーポレーションが建設を行う旅客ターミナルビルにつきましては、出入国手続等を行うCIQスペースや免税店、待合ホールのほか、地元物産品の販売等、地域活性化に資するようなスペースも確保する予定で、先方と協議を進めております。 現地におきましては、今月から地質調査を行う予定とされており、本体工事につきましては、来年度早々からの開始を予定されていると聞き及んでおります。 最後に、本市は、バス駐車場や臨港道路のほか、乗船客の円滑な移動を可能にするための屋根つき通路や照明設備など、陸上部の施設整備を進めております。現在、工事に使用する資材や二次製品の製作を進めている状況であり、これが完了した時点で現地工事に着手する予定でございます。 以上が港湾整備の進捗状況でございますが、平成31年度は施設整備の最終年度となることから、現地の工事が佳境に入り、今後、工事車両等の往来が多くなるなど、地元関係者の皆様方へのより一層の配慮が必要となると認識しております。 本市といたしましては、これまで以上に国土交通省やカーニバルコーポレーションとの連携を図り、引き続き、地元関係者の皆様方に御理解と御協力をいただけるよう、十分に意を用いながら事業進捗を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎土木部長(杉本和孝君) (登壇) 浦頭地区の供用開始後における周辺交通対策の進捗状況についてお答えいたします。 昨日の一般質問でお答えいたしましたように、現在、県において、国道202号の浦頭交差点から西海パールライン入口交差点までの4車線化の拡幅工事に着手されております。 浦頭地区の港湾整備につきましては、来年4月からの供用開始を目標としていることから、昨年3月の事業着手以降、類を見ないスピードで事業が進められており、調査や測量、設計などを行いながら、同時並行的に事業に必要な用地の取得が進められているところでございます。 本事業につきましては、特に影響が大きいと考えられている浦頭交差点周辺について優先的に進められており、地元の関係者の皆様の御協力により、昨年12月には浦頭交差点周辺の改良工事に着手されたところでございます。 着手された工事の概要としましては、国道から浦頭地区への右左折レーンを設置するとともに、交差点付近の山を切り、道路線形を改良することで通行車両の視距、見通しを確保する計画となっております。現在は、車道の外側に切り取り防護柵が設置され、山を切る作業に着手されたところでございます。 なお、当交差点から東明中学校入口交差点間の今後の事業の予定といたしましては、橋梁の詳細設計などを進めるとともに、先般の国の2次補正による予算の追加配分もあったことから、引き続き用地交渉を進めながら、随時、新たな工事に着手することで、来年4月までに可能な限りの事業進捗を図っていきたいと伺っております。 また、東明中学校入口交差点から西海パールライン入口交差点までの区間につきましては、昨年8月の地元説明会以降、用地測量と道路の詳細設計が進められており、1月には地区の関係者の方々を対象とした計画説明会が開催されております。 説明会においては、当区間の拡幅計画案をお示しされ、地域の皆様からは、取りつけ道路など生活道路に係る御意見はあったものの、4車線化の拡幅計画案については、おおむね了解が得られたことから、今後はその計画に基づく用地測量など、道路設計を進めていくとのことでございます。 来年以降は、当区間におきましても地質調査や建物調査などが予定されており、事業に必要な用地の取得に向けた取り組みを進めていきたいとのことであり、先行する区間とあわせ、整備の進捗が図られるよう、本市としましても事業協力してまいります。 ◆12番(古家勉君) (登壇) 御答弁ありがとうございました。 それでは、希少野生生物の保全と啓発について再質問をいたします。 答弁では、現状の把握や保全の取り組みが種々行われているとのことでしたが、ぜひ今後も継続をしていただきたいと思っております。特にレッドリストやレッドマップについては、市レベルでは大変先進的な取り組みであると思われますので、ぜひとも今後とも活用していく必要があると思います。 しかし、今後もそれらを活用していくためには、情報の正確性が求められると思いますが、現在策定されているものについては、既に平成25年に改訂してから6年が経過しております。データとしての信憑性に不安があるのではないかと思います。環境省のレッドリストはおおむね5年ごと、長崎県では10年ごとに本格的な見直しと、5年ごとの中間見直しを行われているようであります。佐世保市におきましても同等の頻度とまでいかなくても、一定期間の見直しを行っていくべきではないかと考えますが、御所見を伺います。 また、啓発活動につきましては一定実施されているということでありましたが、54名という自然観察会への延べ参加者数については、市民全体から見れば、ごく一部の方に限定されているような印象を受けました。 安全性を踏まえれば、参加者が限定されることについては一定理解しますが、そうであれば、参加された方々が伝道師となって、参加されていない市民の方々に伝えていただくといった啓発が波及する流れでつくっていくことが必要ではないかと考えます。 このような視点から見ますと、佐世保市の職員は、その先頭に立つべき存在であるのではないかと私は感じました。自然環境のことは、環境部の職員だけがわかっていればいいものではなく、あらゆる政策を推進する中で、今後も佐世保市のまちの発展を考えたときには、自然への配慮や自然との共生といった観点は大変重要なことであると考えられます。 市民への啓発と同時に、足元を見詰め、市職員への意識づけという点での取り組みが必要ではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、浦頭供用開始後における周辺交通対策の進捗状況について再質問いたします。 国際クルーズ拠点形成に向けたそれぞれ進捗を詳細にお答えいただき、ありがとうございました。どちらも供用開始に向けて事業が進められていると受けとめておきますが、特に道路事業においては、事業区間の延長も長く、来年4月までに全て完了することはないと思いますので、地域住民の日常生活に影響が出ないよう、可能な限りの事業進捗を県にお願いするとともに、市とされても地域の思いを十分に理解していただきながら事業の協力に当たられるようお願いしたいと思います。 これに関連して大型バスの集中が見込まれる浦頭交差点につきましては、先ほどお答えいただきましたように、既に工事へ着手されております。一定の整備が進むこともあり、渋滞の軽減が見込まれるわけですが、地域の声としまして、地域の生活道路へ観光バスや渋滞を避ける一般車両が流れ込むのではないかという心配の声が依然として聞こえてきます。 先般、一般質問においても観光バスの周遊ルート、国道202号、国道205号を幹線道路へ誘導するとの答弁がありましたが、改めて観光バスの周遊ルートについての考えをお聞かせいただければと思っております。 私の質問を終わります。 ◎環境部長(井元保雅君) (登壇) 希少野生生物の保全と啓発の再質問にお答えいたします。 まず、レッドリストの見直しについてでございますが、本市では、保全が必要とされる希少野生生物種の現状について、毎年、テーマやエリアを決めて調査を行い、最新の状況の把握に努めているところです。今年度につきましては、小森川、木原川周辺及び佐々川周辺で実施し、来年度におきましては、九十九島での調査を計画しているところでございます。 この調査結果を踏まえて、レッドマップの生息地点の情報更新は毎年行っているところですが、調査の範囲も市域の一部にとどまっているのが現状でありまして、その理由としましては、市内は大変範囲が広く、希少種も多種に及んでおりますことから、全てをということになりますと大変大がかりな作業となり、数年の期間を要するものと考えております。 そのため、レッドリストの改訂につきましては、前回の改訂から10年を経過する2023年の改訂を目指して、さきに述べました毎年行っている調査結果や専門の方の御意見を頂戴しながら、来年度から改訂手法を含めた調査・検討を具体的に進めてまいりたいと考えております。 続きまして、市職員への意識づけにつきましては、議員御提案のとおり、市職員が自然環境保全を意識して業務に携わることは大変重要であると認識いたしております。これまでも事業実施に当たっては、自然環境への配慮を行うよう、市役所の環境マネジメントシステムの中で制度化するなど意識づけを図ってまいりましたが、研修の形で行ったことはございませんでしたので、次年度以降につきましては、体感型の研修を実施し、市職員の自然環境保全意識の向上を図っていきたいと考えております。 以上でございます。 ◎土木部長(杉本和孝君) (登壇) 浦頭地区におけるクルーズ船観光客の観光バスの周遊ルートについてのお尋ねにお答えいたします。 国道202号の江上地区側の事業進捗を踏まえた中で、改めてのお尋ねであると認識しておりますが、現在の市の考え方としては、前回と同様、観光バスに限らず、一般車両につきましても、幹線道路である国道202号や国道205号利用し、周遊観光に向かうルートが一般的であり、また、地域の生活道路である市道走行時の快適性を比較してみましても、幹線道路に誘導することが最適であると考えているところでございます。 また、現在、国において進められております国道205号の江上交差点の立体化により、当交差点における国道205号の渋滞の解消、国道202号の渋滞の緩和が見込まれ、幹線道路における速達性が高まるとともに、これまで地域で課題とされていた国道205号の渋滞を回避し、市道田の頭安久の浦線に流れていた車両が減少することも見込まれます。 交差点の立体化につきましては、既に港湾整備の供用とあわせた平成31年度中の完成目標が示されておりますが、先般の国の2次補正による予算の追加配分もあっておりますことから、目標どおりの完成に向け、着々と整備が進められるものと考えているところでございます。 そのようなことから、現在、急ピッチで進められている国道202号の4車線化の事業進捗を図り、円滑な交通環境を確保することが観光バスのルート選定の要因となると考えておりますので、道路事業の一日でも早い完成のため、県と一体となって事業促進に努めていくことが重要であると考えております。 なお、地域が御心配されている観光バスの生活道路への流れ込みについては、これまで同様、観光商工部と連携を図りながら観光周遊ルートの設定を調整してまいりますので、皆様の御理解と御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。 以上でございます。 ○副議長(大塚克史君)  暫時休憩といたします。     午後2時43分 休憩     午後3時00分 再開 ○議長(市岡博道君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。8番北野正徳議員。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) 緑政クラブ、北野正徳でございます。 通告に従いまして一般質問を行います。 痛ましい児童虐待の事件が日々報道なされております。虐待の虐げるという字の下の片仮名の「ヨ」を左右対称にした部分は、爪を立てる、爪をむき出したような形をあらわしているそうです。そして残りの部分は虎を表現する、いわゆる会意文字ということで、虎が爪をむき出している状況であります。まさに無防備な子どもが大人から虎のような形相で爪をむき出されているということでありまして、とても恐ろしい身の毛もよだつことであります。しかし、ふと、このことに関心を寄せてみますと、虐待を直接テーマにしたり、あるいはその体験からいろいろなストーリーが展開される映画やドラマが多いということに気づきます。この児童虐待というのは、あってはならないことではありますが、意外に身近に起こっていることかもしれないし、既に起こっている状況なのかもしれない。 昨年の9月定例会に松尾議員がこのテーマで一般質問をなされております。若干重なる部分もあるかと思いますが、事件などの折々に実態や対策について確認することも一般質問の役割かと思いまして、今回、児童虐待の実態と対応策ということをテーマとさせていただきました。 まずは、本市における児童虐待の認知、相談について、どのくらいの件数があるのか。また、児童虐待について、例えば学校や警察への通報など、どのような機関で受け付けがなされているのか。その実態についての御説明をお願いいたします。 ◎子ども未来部長(渡辺恵美君) (登壇) 児童虐待の実態と対応策に関するお尋ねでございますが、本市では、平成18年4月開設の子ども子育て応援センターを中心として、子どもと子育てに関する各種相談や問題事案等に応じながら、関係機関との連携を通じ、児童虐待等に係る要保護児童への支援を総合的に行っております。 まず、児童虐待に関しましては、児童虐待の防止に関する法律、いわゆる児童虐待防止法第2条において、身体的虐待、性的虐待、養育の放棄・怠慢などのネグレクト、心理的虐待の四つに類型化されております。 近年、市民の児童虐待に対する意識の高まりなどから、これにかかわる相談や通告等も増加する傾向にあり、平成29年度における新規の認知相談件数は112件で、統計を取り始めて以降、最も多く、さらに本年度については1月末現在で174件と急増している状況でございます。 また、子ども子育て応援センターへの児童虐待に係る相談や通告等に関しまして、経路別に見てみますと、児童相談所が28件で最も多く、続いて警察25件、市の子ども保健課18件、学校10件の順となっております。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) それぞれの機関に相談が持ち込まれて、その後、どう意見が集約されるのか、情報が共有されるのかということが問題であろうかと思います。まず、学校で認知された場合は定期的なアンケートなどの調査でわかったものか。あるいは担任の先生の目視や気づきによる発見なのか。それとも、子どもたちからの直接の訴えなのか。どのような状況で認知されているのかをお尋ねいたします。 また、今回、千葉県で事件が起きましたけれども、先ほども申しましたように、折々に点検することが重要かと思います。そうした事件を受けて、国から指導や調査はあっているのでしょうか。 ◎教育長(西本眞也君) (登壇) 学校におけます児童虐待を発見するための取り組みについてお答えをいたします。 児童虐待の早期発見のために、まず学校では担任を初めとする教職員が日常的に児童生徒の表情や服装などを観察し、気になる様子が感じられた場合には、休み時間に声をかけるなど、児童生徒のささいな変化の把握に努めております。 また、定期的に担任が児童生徒と面談を行い、全ての児童生徒の様子を把握するとともに、「今困っていることはないか」といった項目を設けた生活アンケートも実施することで、虐待を初めとするさまざまな課題への早期対応に努めております。 ほかにも、虐待を発見する機会といたしましては、学校で行われる健康診断や身体測定があります。担任だけではなく、専門的な知識を持つ学校医や養護教諭等が体を目視することで、暴力行為の痕跡を確認いたします。 また、歯科検診での歯の治療状況や、成長曲線から大幅に逸脱するような体重の激減などで、暴力だけではなく、ネグレクトがないか確認をいたしております。 先般、千葉県野田市で起きました痛ましい事件を受け、内閣府、文部科学省、厚生労働省から、児童虐待が疑われる事案に係る緊急点検を行うよう通知がございました。 早速、各学校に対しまして、長期欠席者を含む全ての児童生徒との面会による確認を指示したところでございます。また、学校職員による面会が困難な場合は、子ども子育て応援センターや民生委員・児童委員などの外部関係機関と連携を図り、児童虐待の有無を確認しているところでございます。 以上です。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) 学校において虐待が疑われる事例が見られた場合に、どのように対応なされているのか。担任が一人で背負い込むのではないかと危惧されますが、虐待発生時の対応マニュアルなどは整備されているのか。それらについてお尋ねをいたします。 ◎教育長(西本眞也君) (登壇) 虐待が疑われるような事案への対応についてお答えをいたします。 教育委員会では、虐待が疑われるような事案等に対応するため、平成28年度に「学校の「連携」と「引継ぎ」マニュアル」を作成いたしました。また、長崎県教育委員会におかれましても、平成29年度に「学校と関係機関との連携マニュアル」の改訂がなされております。 この中において、担任等は、虐待が疑われるような事案を発見した際は、速やかに管理職員に報告すること。養護教諭は、本人に対して速やかに家庭での様子を聞き取ること。教育相談担当職員は、子ども子育て応援センターやスクールソーシャルワーカー、民生委員・児童委員へ速やかに家庭の状況を伝えること。そして、スクールソーシャルワーカー等は、保護者に対して速やかに家庭の状況について聞き取ること。スクールカウンセラーは、相談時に本人の気持ちを聞き取ることなど、誰が誰に対して、どの時期に何をするかを明確に示しております。 このような手だてを示すことで、虐待やその疑いを気づいた教職員が一人で抱え込むことなく、チーム学校として組織的にかつ適切に対応できるようにいたしております。 いずれにいたしましても、児童虐待は児童生徒の健やかな成長を阻害するだけではなく、命までをも奪う極めて深刻な問題であると認識をいたしております。教職員は日ごろから児童生徒に接する機会が多いため、児童虐待を早期発見できる立場にあると考えられますので、虐待の防止等に最大限の意を用いていく所存でございます。 以上です。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) それでは、児童相談所、警察、地域の方、民生委員などに寄せられた相談や通報は、その後、どのように対応されて、また、各機関の情報がどのように共有されているかについてお尋ねをいたします。 ◎子ども未来部長(渡辺恵美君) (登壇) まず、児童虐待に係る相談や通告等に当たり、警察では、随時判断の上、独自に対応されており、一方、地区の民生委員・児童委員においては、市による研修会等での説明を踏まえ、事案の危険度や緊急度を見ながら、状況に応じ、子ども子育て応援センターまたは児童相談所に御連絡いただくようにしております。 子ども子育て応援センターにて相談や通告を受けた後は、センター内で緊急受理会議を開き、当該ケースに係る事実確認を整理した上で、虐待の重症度等の観点から、子どもの安全にかかわる危機の有無を判断するためのリスクアセスメントを行うとともに、あわせて子どもに面接するなどして24時間以内に子どもの安全確認を実施しており、その後、支援方針の決定を経て、支援開始となります。 なお、リスクアセスメントにおいて、子どもの置かれている状況や背景等を把握する中で、虐待の重症度や緊急度が高く、より専門的な対応を要するケースに当たっては、速やかに児童相談所へ送致をいたしております。 また、関係機関に対しましては、事実確認のための調査に当たり御協力をいただくとともに、要保護児童対策地域協議会の個別ケース検討会議において情報共有を図りながら、支援方針に基づく役割分担を明確にした上で支援に臨むことといたしております。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) 市の子ども子育て応援センターと、県の児童相談所について、どのように役割分担をなされているのかお尋ねをいたします。 ◎子ども未来部長(渡辺恵美君) (登壇) 役割分担につきまして、まずは法令上の整理について申し上げます。 児童福祉法によると、従前、あらゆる子ども家庭相談に当たっては、都道府県が設置する児童相談所が対応することとされておりましたが、平成16年の法改正に伴い、全ての子どもの権利を擁護するために、子どもと家庭に最も身近な基礎自治体である市町村において、その責務を負うことが望ましいとする考え方のもと、子ども家庭相談に応じることが住民に身近な市町村の責務として明記され、虐待の未然防止及び早期発見を中心に取り組むこととなりました。 また、平成28年の法改正により、児童相談所を有する都道府県は、一時保護、施設入所の措置等を通じた専門的な知識や技能を要する支援及び広域的な対応を行う一方で、市町村は児童にとって身近な場所での継続的な支援に当たることなど、両者における役割と責務について明示されるに至っております。 このような法令上の基本的な考え方のもと、子ども子育て応援センターでは、児童の最も身近な場所において、子どもとその家庭及び妊産婦を対象に、子育て全般に係る総合的な窓口を担いながら、特に、市民及び関係機関からの児童虐待に係る相談や通告等を受けた場合は、その児童に関する実情の把握、調査を行っており、その上で、状況に応じ、児童虐待の未然防止や虐待の重症化を予防するため、要保護児童対策地域協議会において、関係機関と連携を図りつつ、情報の共有や必要な支援を継続し、実施いたしております。 一方、児童相談所におきましては、虐待リスクの高い児童に関する相談対応、調査、指導のほか、市に対する必要な助言や援助を行うとともに、児童の一時保護、里親委託、児童養護施設への入所等の措置を通じ、より専門的な知識や技能が伴う支援を担っていることから、児童相談所と子ども子育て応援センターによる密接な連携のもと、子どもの安全が脅かされる危機的状況だと考えられるケースのように、より専門的に取り扱う必要がある場合は、市から児童相談所に送致するなどの適切な対応を図っております。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) 日々、新聞やテレビ等で伝えられているのは、現場における苛酷な職務であります。慢性的な人材不足、マンパワー不足ということであります。 市における子ども子育て応援センター、また、県における児童相談所の人的体制がどのようになっているのかについて、説明をお願いいたします。 ◎子ども未来部長(渡辺恵美君) (登壇) 子ども子育て応援センターは、所長を含む正規職員5名のほか、嘱託相談員など13名の配置により、日々の業務に当たっております。 児童相談業務に関しましては、保健師、精神保健福祉士、社会福祉士等の資格と相応の実務経験を有する8名の職員が担当しており、そのうち5名で市内各地区を受け持ちながら、残りの3名がそれぞれ教育、心理、ひとり親家庭という面で専門の相談に従事いたしております。 一方、児童相談所の機能を含む県の佐世保こども・女性・障害者支援センターは、虐待相談、要保護相談、非行相談、性格行動相談、障がい相談等の子どもに関する家庭からのさまざまな相談に対応されております。 組織といたしましては、総務課、こども・女性支援課、こども保護判定課、障害者支援課の4部署で編成され、平成30年4月時点で嘱託職員23名を含む全59名の職員が従事されております。そのうち児童相談所の業務にかかわる職員は、社会福祉士や臨床心理士等の資格を有する児童福祉司や児童心理司など47名であり、子どもや家庭に関する調査及び心理判定等を行うとともに、必要に応じ一時保護や児童福祉司による指導及び児童福祉施設への入所、里親委託の措置等といった業務に日々当たられております。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) 巷間の話では、この業務は若い方々の定着が悪く、それがずっと繰り返されているとよく言われます。しかし、お聞きしましたら、60歳を超えた経験豊かな方、全て資格を持った方々が対応されているということであり、正規5名、嘱託13名という体制については議論することかもわかりませんけれども、これも一つの方法であると感じた次第であります。 次に、各機関の連携や情報共有ということで、要保護児童対策協議会の役割が非常に重要であると思いますが、この要保護児童対策地域協議会の仕組み、開催頻度等の状況はどうなっているのか。また、構成員である学校、地域、警察などの各機関で得られた情報が一元的に管理され、共有されて、その後、どういう形で生かされているのか、お尋ねをいたします。 ◎子ども未来部長(渡辺恵美君) (登壇) 平成16年に児童福祉法の改正により要保護児童対策地域協議会が法定化されましたが、本市では、児童虐待防止の独自の取り組みとして、先んじて平成14年度に佐世保市子ども安心ネットワークを立ち上げ、各関係機関の連携強化とネットワーク化に着手しており、このネットワークを要保護児童対策地域協議会として位置づけ、現在、佐世保市子ども安心ネットワーク協議会を設置するに至っております。 本協議会は、児童虐待の早期発見及び適切な支援を図るために、関係機関が連携することを目的にしており、子ども子育て応援センターがその事務局機能を担っております。 本協議会は、最上位の代表者会議である委員会と、その下位に位置する実務者会議としての検討会、個々の支援対象児童について直接かかわりのある関係機関の担当者同士が具体的な援助を検討する個別ケース検討会議の3層構造となっており、委員会及び検討会は、民生委員・児童委員、学校や保育所等の関係団体の代表者、学識経験者、警察、児童相談所等の行政機関の職員等からなる28名の委員でそれぞれ組織されております。 委員会は年に2回開催し、虐待、子育て問題、不登校、非行など、子どもに係る諸問題についての情報を交換し、関係機関が協力しやすい体制やシステム全体の検討を行うとともに、市民への知識等の啓発や地域の支援体制の整備に係る役割を担っております。 検討会は年に5回開催し、個々の困難ケースについての事例検討や要保護児童の支援に係る進行管理を通じて、関係機関の認識を高めるとともに、関係者の対応技術の向上と地域でのサポート体制に関する検討を行っており、検討会で明らかになった課題等は上位の委員会に報告することとしております。 個別検討ケース会議は、必要に応じて随時対応するもので、平成29年度には112回、本年度は1月末の時点で既に110回開催しており、個々の要保護児童について、児童相談所、学校、地域の民生委員・児童委員、警察など直接かかわりのある関係機関の担当者同士が情報を共有し、各関係者の役割を明確にしながら、具体的な支援方法を検討しております。 中には、子どもが小学校から中学校へ進学する際などの節目において、かかわりがある機関の変更に伴い支援が途切れないよう、区別して開催するなどの配慮も行っているところでございます。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) 先ほど来、説明がございましたけれども、この政策自体の重心が、県から少しずつ基礎自治体のほうに移っているということでした。この児童虐待に対しても、よりきめの細かい対応が求められるということで、昨今、国会や政府・与党におきまして、中核市が児童相談所を設置して、その任に当たるべきとの声が高まっていますが、どのような御所見をお持ちであるか、お尋ねをいたします。 ◎子ども未来部長(渡辺恵美君) (登壇) 平成28年6月に公布されました児童福祉法等の一部を改正する法律により、中核市等における児童相談所の設置促進を図るため、平成29年4月1日施行後、5年をめどとして児童相談所を設置できるよう、その設置に係る支援等の必要な措置を講ずる旨の規定がなされました。 本市においては、児童相談所の機能を有する長崎県の佐世保こども・女性・障害者支援センターからの呼びかけを受け、今回の児童福祉法の改正や、それに伴う業務内容等に関し、互いに理解を深める目的のもと、平成28年度から定期的に勉強会の場を設け、県と市の担当職員間における業務連携や情報共有を図ってきております。 また、特に児童相談所の設置に係る支援等の必要な措置をめぐる国の動向等について、県庁の所管部署との間で、必要に応じ、各種情報の収集、意見交換等も行っているところでございます。 このような中、国においては、具体的な支援策等が明確にされないまま、昨年12月に公表されたワーキンググループの取りまとめの趣旨として、中核市における児童相談所の設置義務化も含めた法令上の措置の検討等の必要性が示されております。 これを受け、中核市市長会では、ことし1月、国に対し、「中核市における児童相談所の設置促進については、地域の特性が異なる各市の現状や意見を十分に聴き、丁寧な議論を積み重ねた上で、義務化ありきではなく、設置の後押しとなる十分な財政措置や専門的人材の育成、確保に係る支援の充実によるものとする」旨の緊急要請を行うに至っております。 なお、児童相談所の機能に関して、長崎県が設置・運営する施設を通じ、県と市が必要な連携をとりながら、市民に身近なところで一定満たされている状況にあり、また、施設の設備運営に係る財源確保や専門的な人材の確保、育成等といった同様の課題を抱える本市におきましても、今回の緊急要請を踏まえた上で、引き続き、係る動向の変化等を注視する中で、中核市市長会等を通じ、必要な意見具申を行ってまいりたいと存じます。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) 今回のこの一般質問は、行政対応や施策への指摘ということではなく、児童相談所の機能を中核市が担うべきという積極的な主張でもありません。 現在、国による法制化、県による条例化など、いろいろな議論がなされておりますけれども、市としては、起きた事件や繰り広げられる事象などを教訓にして、日々の業務で懸念されることを点検し、有事に備えること。そして、有事に際して丁寧に誠実に対応することが大事であるかと思い、その一環として、質問いたしました。丁寧に御回答いただきありがとうございました。 次に、地域国際化、多文化共生と外国人共生の考え方と取り組みをテーマに一般質問を行います。 平成29年12月定例会で、港とクルーズ船の費用対効果と題しましての一般質問を行いました。大型クルーズ船は、中国旅行社と系列のランドオペレーターに団体管理をされて、キックバックスキームに代表されるビジネスモデルは、本市への経済効果が少ないのではないかという問題提起をさせていただきました。 また、平成30年9月定例会におきましては、インバウンド観光対策ということで一般質問を行いました。クルーズ船観光は、大型船を中心として政策展開がなされているように私は思っていたのですが、その中で、小型、中型のクルーズ船への対応、また、長崎空港からのインバウンドを佐世保連携中枢都市圏へ誘導することが大事ではないかという提言をさせていただきました。 それ以降、長崎空港と外国の空路も複数開設をされましたが、現在、その状況や乗員数、上陸後の行動をどのように把握されているかについてお尋ねをいたします。 ◎観光商工部長(森永博昭君) (登壇) 現在の長崎空港の国際線には、上海線、ソウル線、そして、ことし1月19日に就航した香港エクスプレスの香港線の3本、合わせて週8便が運航しています。今年度の国際線の利用状況としましては、4月から12月までの累計で4万4,117人で、前年度同期と比較しますと約16%の増加となっております。 ことし3月末から機材の法定整備によるソウル線の運休の影響もあると思いますが、1月から就航した香港線週3便の利用者が加わることで、今後、長崎空港を利用する外国人観光客は増加していくものと考えます。 お客様の行程は、まず県内での行き先として、長崎市、佐世保市、島原半島など県内を周遊し、その後、福岡市や熊本県、大分県を訪問するといったパターンが多く、滞在期間では、上海線が3泊4日、ソウル線が2泊3日、香港線は4泊5日が主流となっています。 以上です。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) 現在、私の地元の江迎町では、繭玉まつりが開催されていますが、そこで江迎本陣の山下社長から「4月には、2日間で外国のお客さんが100人、200人、来られるんです」というお話をお聞きしました。聞くところでは、4万8,000トンで定員が779名のクルーズ船セブンシーズ・マリナーが4月3日に入港し、4月4日には、3万トン、定員が803名のインシグニアが入港予定で、そのお客さんが来られるということでありました。 今、江迎町では江迎湾に屋形船を浮かべようと、宿場町構想によるまちづくりというのが動き出しており、県の事業採択をいただきまして、少しずつ形になってきております。 外国から来られるお客様が平戸市の教会に行く、もしくは、中国の方であれば鄭成功廟に行かれて、昔、平戸のお殿様がそこから船で江迎の本陣に上陸されていたイメージを思い描いているのですけれども、こういったことが連携都市圏構想の中に組み込まれたら、佐世保の国際性が圏域に広がるのではないかと考えております。 ともあれ、これから外国観光客というのはますますふえて、身近に感じる機会というのは多くなるだろうと思います。 今回は、旅行者ということではなくて、滞在する外国人の方々についての質問をさせていただきます。 平成28年6月定例会において、外国人技能実習生制度について一般質問を行いました。その後、崎山議員も何度か一般質問をされておりますが、この4月から根本的な制度の変更がなされております。そうしたことからの質問であります。 日本では、15歳以上65歳未満の生産年齢人口が、1997年をピークに減少に転じております。その分を補完するように、留学生の資格外活動ということで、週に28時間のアルバイトが認められているのですが、2008年には7万833人だったものが、2017年には29万7,021人に増加をいたしております。その後、途上国への技術・知識移転ということを主眼とはしておりますが、技能実習生制度が、減少する生産現場の人手不足を補ってまいりました。そして、この4月からは特定技能制度が始まりますが、この技能実習生制度と特定技能制度の違いをどのように整理、認識されていますか。お尋ねをいたします。 ◎観光商工部長(森永博昭君) (登壇) 外国人技能実習制度は、平成5年に制度化され、開発途上地域の外国人を日本で一定期間受け入れ、我が国の技能、技術、知識などを開発途上地域などへ移転することで経済発展を担うという、国際貢献を目的といたしておりました。 2018年10月末時点での国内の技能実習生は、およそ30万人であり、外国人労働者数約146万人の21%を占めています。 一方で、特定技能制度につきましては、全国の中小企業を中心に深刻化する人手不足への対策として、平成30年12月に出入国管理及び難民認定法が改正され、ことし4月から新たな在留資格、特定技能1号、2号が創設されることになりました。 特定技能1号では、これまでの原則禁止されていた外国人の単純労働を含めた就労が認められ、特定技能2号では、熟練した技能を持つ外国人労働者に家族帯同や在留期間更新が可能となるなど、これまでの国際貢献とは異なる新しい雇用形態の外国人労働者を生み出す制度であると認識しています。 就労可能な業種は、人手不足が深刻な建設業、造船・舶用工業、観光業など14業種となり、今後5年間での国内の受け入れ人数は26万人から34万5,000人と見込まれております。 これらのことから、特定技能制度は、外国人労働者を人手不足の産業分野で即戦力として長期的に雇用できるようになるため、制度などを十分に理解し、その活用を図ることができる場合には、労働現場の人手不足の有効な対策になるものと考えております。 以上です。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) 外国人の方には、旅行者もいれば、何らかの在留資格で住まわれている、滞在されている方もいると思いますが、そもそも外国人の方々はどのように制度的に区分されているのでしょうか。そして、国民であるということは、国籍法によって要件が規定されておりますが、佐世保市民であるということはどういうことか。特に市民という言葉は、例えば、市民革命という言葉がありますように、非常に概念的な言葉であります。佐世保市民とはどのように定義をされるのか。この二つについて質問いたします。 ◎市民生活部長(蓮田尚君) (登壇) 日本に滞在する外国人は、大きく4通りに分けることができ、一つ目は、旅行者など3カ月未満の短期滞在者、二つ目は、留学や就労、日本人の配偶者など3カ月以上の中長期在留者、三つ目は、戦前から日本に居住している朝鮮、韓国、台湾の特別永住者、四つ目は、米国の軍人・軍属並びにその家族です。 外国人が日本へ入国する場合、空港などにおける入国審査時において、その目的に応じて在留資格や在留期間が決定されます。3カ月以上日本へ滞在する場合は、在留カードが交付され、中長期在留者となり、特別永住者と同様、在留カードを提示して、住民基本台帳法に基づく転入届をする義務がありますので、届け出によりいずれかの自治体の住民となります。 次に、市民の定義ですが、住民サービスを受けることができる方ということでは、佐世保市に住民登録をしている在留者については、国籍とは関係なく、佐世保市民であるということになります。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) 在留カードが発行されたら、2週間以内に市役所等に転入届を提出するようになっておりますけれども、その時点で国民健康保険、介護保険、国民年金、教育や諸手当など、日本人の市民と同等と理解してよろしいのか。また、住民登録をされない外国人はいるのか。この2点をお尋ねいたします。 ◎市民生活部長(蓮田尚君) (登壇) 在留カードを所持する中長期在留者と特別永住者については、転入等の住所異動届が義務づけられており、本人からの届け出により実態を把握することとなります。届け出をされると住民票がつくられ、日本人と同様、児童手当などの受給や国民健康保険への加入、家庭ごみ処理など、さまざまな行政サービスを受けることができます。一方、住民税などの課税対象にもなります。 なお、本市以外に住民登録を行った方や、どこにも住民登録をしていない方については、本市としてはその実態を把握することは困難と言わざるを得ませんが、日本に在留する外国人の管理自体は法務省の入国管理局が行っており、入国時には市町村への住居地届け出や住民登録の義務について指導がなされ、届け出期間を経過した場合などは本人または事業所等に連絡を行い、届け出を提出するよう指導がなされています。 ちなみに、届け出た内容と実情が異なる場合などは、住民票の実態調査を行う権限が市町村に与えられています。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) 本市に滞在している外国人の方々の国籍や在留資格などはどのように整理されて把握をされておられますか。お尋ねをいたします。 ◎市民生活部長(蓮田尚君) (登壇) 本市における平成31年1月31日現在の国籍別外国人住民数は、中国466人、フィリピン332人、朝鮮・韓国312人、ベトナム230人、米国205人、その他336人の総数1,881人となっています。 ただし、米国の軍人・軍属及びその家族である約6,500人は、日米地位協定により住民基本台帳法の適用外のため、米国の205人には入っていません。 次に、在留資格には、高度専門職、教育、留学、技能実習などの一定の活動によって与えられるものが24種類、永住者や日本人の配偶者などの身分や地位によって与えられるものが4種類あります。本市における平成31年1月31日現在の在留資格別外国人住民数は、留学518人、永住者405人、技能実習236人、特別永住者186人、日本人配偶者等114人、芸術・人文・国際業務108人、家族滞在82人、特定活動81人、その他151人の総数1,881人となっています。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) 施政方針では、本市における有効求人倍率が1.51と示されましたが、この数字というのは日本全体としても労働力不足が叫ばれている状況である中に、あえて積極投資をして、工業団地を開いて企業誘致を行う。これを政策の大きな柱にしているわけであります。例えば、第1次産業、あるいはこれまでの佐世保型の重工業から、誘致に成功した自動車産業への産業転換では、閉鎖系、縮小系になってしまいます。そういう政策では当然ないと思いますが、労働力に関しては開放型にならないとつじつまが合わないのではないかと私は思います。 この特定技能制度は、国会においても移民政策につながるのではないかと危惧する議論が大変多うございましたけれども、本市においては施政方針の中でも、外国人労働者受け入れについては積極的な表明がなされております。私もこの特定技能制度については、積極的に活用するべきだと思いますけれども、どのようにお考えなのか、お尋ねいたします。 ◎観光商工部長(森永博昭君) (登壇) 特定技能制度では、実習期間の最長5カ年で帰国を余儀なくされていた技能実習生にとっては、特定技能1号で最長10年間の在留が、また、特定技能2号の場合は、条件を満たせば永住申請も可能となり、企業側にとっても長期間にわたり人材を確保できることが大きなメリットになります。 これまで技能実習生の受け入れ経験がある企業については、職業生活や社会生活上の支援など、特定技能外国人の受け入れ環境についても整えやすいことが推測され、積極的な受け入れを検討する企業が出てくるものと思われます。 一方で、受け入れ側である企業等は、外国人労働者の雇用に関する法制度や慣習などに対する豊富な知識と正しい対応が求められます。 そこで、本市といたしましては、技能実習生を受け入れる管理団体の支援を行っている中小企業団体中央会など関連支援機関と連携し、外国人労働者の受け入れに関するノウハウの取得につながるセミナーの開催や、関連情報の収集発信など、特定技能制度の適切な運用に向けた支援を行ってまいります。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) 特定技能制度では、特定の技能のもとに、日本人と同等の賃金も保障されますし、許可の範囲で転職もできます。また、家族を呼び寄せての定住の機会も一定の条件で許可されるようになってまいります。例えば、技能実習生制度というのは、技術移転などが目的でありますので、企業側がしっかりとお世話をするということが一般的な形態ですが、特定技能制度ということになれば、市民生活に身近なところで外国の方々がふえてくることになると思います。 ちなみに、現在、外国の方の児童生徒が市内の小学校、中学校に通っている事例があるのか、またその場合、どういうふうに対応されているのか。そして、先ほどもお尋ねしましたが、国民健康保険などの行政サービスへの多言語の対応はどのような状況になっているのか。2点お尋ねいたします。 ◎教育長(西本眞也君) (登壇) 佐世保市の小中学校における外国人の就学状況と対応についてお答えをいたします。 教育委員会では、米国軍人等のお子様も含め、日本国籍を持たない子どもたちについても就学の機会を確保するため、小中学校への就学を受け入れております。 特に、市内に住民登録のある子どもたちについては、保護者に対し就学案内を行っており、就学希望がある場合には、手続の上、受け入れております。 このような中、現在、佐世保市立小中学校におきましては、小学校20校に37名、中学校9校に14名の外国人の子どもたちが就学している状況でございます。 また、日本語指導を必要とする子どもたちへの対応といたしましては、県の教職員加配や市の日本語指導員派遣等を活用しながら、子どもたちの実態に応じ学習支援を行っております。 外国人の保護者は、日本の小中学校に就学させる義務を負っておりませんが、外国人の子どもたちについても教育を受ける権利を保障できるよう、保護者の意向に寄り添いながら、今後も努めてまいりたいと思っております。 以上です。 ◎市民生活部長(蓮田尚君) (登壇) 各種行政サービスへの多言語対応についてですが、現状では、英語、中国語、韓国語の3カ国語によりほぼカバーできており、外国語の専門職ではないものの、これらの言語で会話のできる職員の協力を得ながら、手続を行っている状況にあります。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) 総務省が2008年に外国人住民への対応の施策の指針、計画を作成するように全国の自治体に要請しております。その後の経過を日本経済新聞が2018年末に調査し、その結果が報道されました。その調査の結果の概要と、外国人共生社会の実現について、本市の現状と、それに対する評価についてお尋ねをいたします。 ◎企画部長(中島勝利君) (登壇) 2月8日付の日本経済新聞における総務省の外国人住民に対応するための施策、指針の策定要請に対する全国の自治体の対応状況に関するアンケート調査結果の内容についてお答えをいたします。 まず、総務省が示す行政サービスのうち、多言語での行政情報の提供、外国住民の生活相談窓口の設置、居住支援、入居差別の解消など、主な13項目に絞って、各自治体の実施状況について調査がございました。 この調査における結果といたしまして、13項目のうち4項目について実施、9項目は未実施として報告するとともに、その内訳といたしまして、多言語での行政情報の提供、就学時の多言語での情報提供などを実施項目といたしまして、外国語対応の医療機関情報、ごみ出しなどの案内など、一部対応できているものの、国が求める実施項目に全て対応していないものは未実施項目として回答いたしております。 なお、新聞紙上では、全国的に生活関連の支援についての対応のおくれが目立つとの指摘がなされているところでございますが、本市におきましても未実施項目として回答しており、同様の状況にあることは否めないと感じております。 次に、多文化共生社会の実現についてどのように考えているのかという点でございますが、今般の法律の改正によりまして、新たな在留資格であります特定技能が創設され、一定の専門性、技能性を有し、即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みとなるため、本市でも多国籍化が進むことが想定されます。このことから、この外国人を生活者とする環境づくりに当たりましては、多言語対応や対応窓口の充実に向けた取り組みなど、ソフト面、ハード面双方において、行政を主体とした新たな施策を講じる必要があると考えております。 特に、本市におきましては、在住外国人の居住地において、地域ごとの偏在などが見られる場合には、その地域に応じた対応も必要となることが想定されますことから、さまざまな事情を勘案して、外国人の地域における生活を安定させることに取り組む必要があると考えています。 これまでも、本市の多文化共生の取り組みにつきましては、外国人と日本人住民の良好なコミュニティを構築することが必要不可欠であるという認識のもと、法律制定の前の昨年度から市民向けの多文化共生セミナーを開催し、市民の皆様に多文化共生の必要性について理解と関心を深めていただくよう、市民レベルの意識の醸成に努めております。 今後は、国の動向を注視しながら、生活者として外国人に対する支援に向けた具体的な対策を、関係者とともに協議、検討してまいりたいと考えています。 以上です。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) 第6次佐世保市総合計画による政策構成では、多文化による国際都市づくりというテーマのもとに、地域国際化の推進、戦略的な国際交流の推進の二本立てになっております。また、このもとになる国際戦略活動指針が策定されて、これは2011年から10年間、第7次佐世保市総合計画の策定までとなっております。これから第7次佐世保市総合計画が議論されますが、国際化ということについて、どのようなイメージをお持ちでしょうか。 具体的にこれまでの概略を申せば、本市における国際戦略は、まずは米軍の方々と友好的なまちであることが基本的にあるかと思います。次に、成長著しい東アジアの活力を取り込むことで、本市の人流・物流の交流を促していくことが二番目であったかと思います。そして三番目には、本市の企業が海外にかかわりを持つ、あるいは進出することの支援であったかと思います。今までは、ここまででしたが、国において特定技能という大きな政策転換がなされた以上、新たな視点がこの政策にも必要ではないかと思います。それは、外国の方々が本市に長期滞在し、働き、生活をされ、人生を楽しまれる、そんなまちであるのかということであります。国際化、多文化共生、あるいは外国人共生、いろいろな表現がありますけれども、市民としての位置づけ、外国人市民が日本人市民と法のもとに平等で佐世保市に暮らして、幸せに人生を送ることができる、ある意味では外国の労働者の方々に選ばれるまちであるということも、本市の競争力を高めることであると思います。最後に市長の国際都市のイメージを含めて、お考えをお伺いいたします。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) 北野議員から地域国際化、多文化共生と外国人共生の考え方と取り組みについてお尋ねがございました。 今、御指摘がございました佐世保市国際戦略活動指針は、本市の強みを生かした戦略的な都市間交流を推進し、本市の活性化を図ることを念頭に、平成23年からおおむね10年間の都市ビジョンを掲げ、体系的、戦略的に取り組む活動の基本的な考え方をまとめたものであり、本市の在住外国人との共生社会に焦点を当てたものではございませんでした。 しかし、第6次佐世保市総合計画後期基本計画では施策「地域国際化の推進」において、地域における国際理解の促進を掲げ、議員御指摘の外国人共生の市民社会を意図した施策を展開いたしております。 例を挙げますと、市民と在住外国人との交流や、外国語、外国文化に関する講座等を通じ、市民が国際理解を深めることのほか、留学生を含めた在住外国人への多言語による情報提供、利便性等の向上策等について施策展開を実践してきております。 さらに、市内でも、市民による国際交流団体が複数立ち上がっており、子どもたちも含め、姉妹都市交流等が盛んに行われ、市民交流の輪が広がっております。 また、これまでの市民活動を踏まえての取り組みの数々が、さきに示された成長可能性ランキングにおいても、その重要な要素である多様性を受け入れる風土が全国3位に評価されるなど、市民生活における市民と外国人との双方の国際理解は深まっているものと思います。 しかしながら、これまで在住外国人は米軍関係者や留学生などといった、ある程度限られた外国人だけを想定した施策でしたが、国が深刻な人手不足を背景とした外国人労働者の受け入れ拡大という従来の方針を大きく転換した今、議員御指摘のとおり、外国人は地域経済を支える外国人市民という視点も重要であると考えております。 まだ国から自治体に対し、具体的、詳細な役割が示されておりませんが、まずは先んじて、在住外国人の方々が外国人市民として仕事や生活が充実するよう、どのように手を差し伸べることができるか、関係部局が連携して検討するよう指示をしてまいりたいと考えております。 今後も、外国人を温かく迎え入れる、本市の多様性を受け入れる風土に立脚した都市の魅力をさらに高め、外国人にも住みやすい魅力あるまちづくりを目指してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆8番(北野正徳君) (登壇) 4年間、一般質問をさせていただきまして、大変勉強になりました。担当職員の方とディスカッションを経て、課題の共通認識を図り、あるいは指摘を行い、施策の妥当性や費用対効果の検証し、提言や提案をさせていただきました。 実現したことは、質問席に滑りどめが置かれたことだけではないなと、ささやかな自負をいたしております。 喜劇王チャップリンは、たくさんの映画をつくり、みずからもたくさんの映画に出演し、今までの中でどの映画が一番よかったかと質問をされて、「ネクストワン」と答えたそうであります。ぜひ、私の次の一般質問にも御期待をくださいということで、4年間の最後の一般質問とさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(市岡博道君)  以上で本日の日程は終了いたしました。 次の本会議は明日午前10時から開きます。 本日はこれをもって散会いたします。     午後4時05分 散会...